オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
カウンターたった5席の小さいスナックに男が現れたのは、22時を回った頃だった。
店のママと顔なじみなのか、2、3言葉を交わしながら中へ入ってくる。
と、一番壁際に居たアタシの顔を見て男は明らかに不快な顔を見せた。
「ちょっとママ、ここは俺の……」
「さっきまで混んでたんだもの。詰めて貰わなきゃお客さん座れないでしょう?」
アタシを指差しながら抗議した男が、あっさりママにやりこめられる。
意地なのか、男はアタシのすぐ隣の椅子に腰を下ろした。
「こんばんは」
一応礼儀として声を掛ければ、無言で頭を下げてくる。
その顔はどう見ても、アタシに対していい感情を持っていない――ていうのは、席の件だけじゃないことが読み取れた。
「いつからここ、化け物入れるようになったんだか」
大きな独り言を漏らす男に、ママが何か言いかけたのをアタシが片手を挙げて制した。
わざと顔を覗きこむように近付いて、男の目を見つめて低めた声を出す。
「悪かったわねぇ、化け物で」
威勢が良かったのはどうした事か、男は目を見開くと完全にアタシに背中を向けてしまった。
***
酒が進むうちに隣の男の姿勢がだらしなくなり、時々アタシの右肘に男の左肘が当たる。
そこに来て漸く、男がアタシが座る左の端席に拘っていたのか合点がいった。
男は左利きで、左に箸を持ってママ自慢の漬物を食べている。
その度に、アタシの右肘とぶつかるのだ。
「触るな、化け物」
「どっちか言うとそっちが触ってるんだけど?」
「うるせぇ」
ママが小さくごめんなさいね、と謝る声に苦笑を返しながら、だんだんこっちに傾いてきている男の肩を押し返す。
ヨレヨレのスーツに、皺だらけのYシャツ。
指輪もしてないところを見ると、独身の上にだらしなくて到底モテるタイプじゃなさそうだダメ男。
いい加減この手のタイプにときめく歳でも、まして世話を焼きたくなる歳でも無いが、何かざわめくのって言うのは……生まれ持った性、ってヤツかしら。
「英二さん、そろそろその辺で止めといたら?」
「あー? まぁだ飲むぞ俺は」
薄くなった頭頂部を見降ろしながらグラスを煽る。
口から出るのは職場の不満と、部下への愚痴ばかりの話にいい加減うんざりしてきたところで、不意にアタシの携帯電話が鳴った。
「あら、マミちゃん。ごめんなさい、もうそろそろ帰るわよ」
アタシの電話に、男がなんの興味を引かれたのか振り仰ぐ。
構わずアタシは可愛い娘に向けて、話を続けた。
「大丈夫よ、ちゃんと帰るってば。明日二人でお洋服見に行く約束覚えてるって、パパは記憶力いいのよ?」
ママにお勘定を頼もうと腰を上げた瞬間、ずっと男と当たっていた右肘を掴まれた。
通話を切ると、男が食い入るようにアタシを見つめてくる。
「化け物……今の、相手は」
「人間の娘よ、ついでにアタシの可愛い一人娘ですけど何か?」
何に驚いているんだか、男はアタシを凝視して固まってしまった。
約束した以上、アタシはそろそろ帰らなきゃいけない。
ママにタクシーを頼んでもらい、店を出る支度をする。
初めて来た店で雰囲気は良かったけど、この男とはもう二度と合わないだろうと思って、アタシは間抜け面でアタシを見つめる男の頬に軽くキスをした。
「オッサン、こんなとろこでクダ巻いてないで家帰りな」
アタシも大概オッサンて言われる年齢だけど、ここは痛み分け。
ようやく状況に気付いた男が大声を上げるのを背後で聞きながら、アタシは店のドアを開けた。
「待て! 化け物!」
タクシーに乗り込む寸前腕を掴まれて、アタシは思わずよろめいた。
わざわざ追いかけて来て息の上がっている男が、アタシを睨みつける。
微妙に人通りの多い場所で騒ぐのは、さすがに周りに迷惑になると思って、アタシは仕方なく男の腕を逆手で持ち返してタクシーに引きずり込んだ。
「三鷹までお願いします」
無言で発進した運転手と、悠然と座るアタシを交互に見つめて男が口をパクパクさせる。
面白いのでそのままにして、アタシはかいがいしくシートベルトを付けてやった。
「呑み足りないなら、ウチで呑めば? オジサン」
「てめぇもオッサンだろうが! 化け物! 何する気だ!」
「何もしやしないわよ、こっちにも色々好みも注文もあるの」
「いいや、こうやって人間を攫って喰う気なんだろう!」
……なんだか色々面倒臭い男だわ、と思いながらも聞き流す。
そこまで言うならお望み通り食べてあげたら、満足するのかしら。
食あたりしそうな顔を見つめて、数秒考える。
「ないわー」
「あああ!?」
とりあえずマミちゃんには、煩いオマケがいることだけ先に伝えようと、アタシは携帯電話を取り出した。
明日の予定がキャンセルになったらごめんね、と内心呟きながら。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実験作品(笑)
19日がロマンスの日と言う事で…何かロマンスを、と思った矢先に、「オヤジ攻めについて考える」「オネェ攻めについて考える」という会が催されまして。
そこで出た究極の設定が、こちらでありました(笑)
50代オネェ攻め×40代後半~50代オッサン受け。
見た目はいかりや●介×志●けん、とか色々言ってたんですが…時間が無くて中途半端なのが残念です。
乙女度の低い話で、本当に申し訳ないですが、きっとこの二人は仲良くなると思います(笑)
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【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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