ジェネレーション・LOVE ２

　小さくても大問題。　傾向：50代×20代　/　老眼鏡　

【問題】

　攻めの眼鏡を割っちゃった受け。しかも割ったのがﾊﾞﾚてしまった。
　この状況での受けの反応と攻めのとった行動は？

「げ！マジかよ……」

　あのオッサン、なんでもその辺にモノ置くなって言ってんのに。
　俺は悪くない、床に落ちてる眼鏡が悪いんだ。

「なんか今、嫌な音しなかったか～？」

　日曜日のお父さん丸出しな、冴えないスエット上下の繁一さんに俺は一応、反省しつつ割れた眼鏡を差し出した。

「悪い、気づかないで踏んだ」
「……大丈夫か？足」
「平気。これ、無いと仕事なんねーんじゃねーの？　眼鏡屋行く？」
「いや、それ百均の老眼鏡だから。スペアあるんだ」

　……百均……またか、このオッサンは。
　大手家電販売店の、店長代理って地位にいるというのにこの人は、いろいろ無頓着だ。
　なんではるかに若い俺の方が、ネクタイだワイシャツだを毎日選ばなきゃなんねーのか。
　ついでに金持ってるくせに、セコい。
　ぶっちゃけ、ケチだ。
　俺に財布任せてるくせに、チラシ見て安い店で買ってこいと口を出す。

「なんだ？　へんな顔して」
「どうせこの先、眼鏡要になんだろ！だったらちゃんと、眼鏡屋で作ればいいだろが！」
「百均のが、今のところ度が合ってちょうどいいんだが」
「じゃあ、同じの買って弁償すりゃいいのか！？」

　何逆ギレしてんだ、俺。
　壊したの俺なのに、なんでこんなに強気に出てんだ。
　ああほら、繁一さんの顔が困ってる。

「ちょうどいい機会だから、眼鏡屋行くか」
「は？」
「いや……くだらない、意地だったんだ。きちんとした老眼鏡だと、俺は老いてるぞーって言ってるみたいで」
「……歳は喰ってんじゃん」

　弛んだ腹を撫でながら、繁一さんは少しだけむくれた。
　仕事中、この人は本気で怖い。
　バイトとして入った店で、最初会った時は本気でヤの人かと思った。
　その恐持てが、眼鏡かけて、キーボード一本指で叩いてたら、……萌える前に笑うだろ。

「眼鏡買って、久々に外で飯食うか」
「よっしゃー！」

　リビングセットの下に散った眼鏡を片付け、部屋を出る。
　繁一さんは軽く俺の頭を叩くと、情けない表情で呟いた。

「……実は一人で眼鏡屋に入る勇気が、無くてな」
「は？　なんで？」
「俺は使えればいいから、適当にモノ選ぶだろうから。……おまえに絶対、馬鹿にされるなと」
「しねーよ！　でも、カッコイイフレーム選んでやる」
「ほら」
「当然だろ！　俺の好きな人は、オッサンでもかっこよくなんだよ！」




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　うちの父も百均老眼鏡なんですが(笑)
　リアルに歳は目から感じますよね。
　オッサン地位向上委員会ｗとしては、老眼鏡も萌えアイテムにしたいです。





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