オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
『リサイクル・資源ゴミ』と書かれた看板の下に、それは転がっていた。
* * *
「てめぇの目は節穴か」
拾って帰った『資源ゴミ』を一瞥して、社長は仁王様みたいな顔を見せた。
超怖ぇ。
「えー……なんか使えそうじゃないスか? 毛むくじゃらで可愛いし」
「ただの浮浪者だろうが!」
「人種差別、イクナイっスよ社長」
「おめぇの頭が本気で心配だわ、俺」
ランニングシャツに、トランクス。
顔も腕も脚も、毛がもっさりふわふわ。
冬とか暖かそう、とかニンマリした俺に、社長から鉄槌が来た。
「捨ててこい」
「え~、マスコットにしましょうよ~」
「断る。飼うなら、てめぇの部屋で飼え」
「え、俺すでにゴキちゃんと同居中」
「二度とてめぇの部屋の保証人にならねぇからな」
社長は空気を凍らせるオーラを身につけた……という、心の日記を付けた俺の膝の辺りを、軽く引っ張られた。
件の、マスコット候補だ。
「おれは売れないですか」
「内蔵売るなら別ルートだ、紹介は出来ねぇが」
「だからマスコット……」
「黙れカス」
社長怖い。
マスコット候補の前に膝をついて、社長は眉毛の薄い顔(近所の奥様及び小学生に大不評)を、グッと近付けて凄む。
「ウチは慈善事業じゃねぇ。真っ当なリサイクルショップなんだ」
「……そうなんですか。そう見えないお顔立ちですが」
「生れつきだ。オッサンにゃ悪いが、そこの馬鹿が悪ふざけして連れて来ただけだ。ヤサに帰れ」
「んー……」
マスコット候補は、バッハかハカセタローかという頭を傾け、小さく唸った。
伺うように、社長を見る上目遣い……超可愛い。
て、声に出してなかったのに社長に裏拳喰らった。
「売れないなら、働きたいとかじゃダメ?」
「なんか特技あんのか、オッサン」
「一応、家電メーカーで働いてました。電気配線や設備は強いです。元嫁に捨てられたけど、自作パソコン5台ありました」
「わかった。おい、変態馬鹿、てめぇがクビだ。出てけ」
「ちょ、社長ぉー!」
「二人雇う余裕ねぇの知ってんだろ」
「なー! 酷っ! ね、オジサン、助けた恩は?」
「あー……じゃあ、二人で一人分の給料でどうですか。彼とおれとで」
「乗った。文句ねぇな?」
「……ハーイ」
なんだかなぁ。
拾ったのは可愛いマスコットじゃなくて、貧乏神? ……俺的に。
あー、でも、モフモフあったかそうだからいっか!
…………………
×には発展しなさそうながら、三人三様矢印向いてるような関係が好きです。
怖面(社長)→変態(バカ青年)→熊(オッサン)、小学生が石投げ(肝試し)に来る㈲ユメミックス。
取り扱いも訳あり商品ばかりです(多分)
気が向いたら続編を…というか、脳内では楽しく過ごしてます三人(笑)
ウケが悪くても自分が楽しむ、マイウェイ智祢です。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。