オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「ほらねー。別に院長だけじゃないんですよ、構ってもらえない人って」
「どっかの知らねぇガキと一緒にすんな!」
会話に水を差された事も不愉快だったが、わざわざ聞かされた他人の話もまた不愉快だった。
苛々と組んだ足を揺らし、和やかに会話をする周囲のテーブルを見渡す。
有名な春の代名詞の曲が終わり、店内がまた賑やかになって来た。
店を出る年配夫婦らしき二人と入れ違いに、新たな客がまた一組入店してくるのを何の気なしに克巳は眺めていた。
一人は一見強面な風貌の背の高い40代後半か、50代の男。
もう一人はどう見ても学生雰囲気が抜けていない、20代になるかならないかの青年だ。
年齢差的な奇妙さより、二人の醸し出す空気が気になり、つい克巳は斜め前の席へ座った二人を観察するように眺めていた。
「先生、星宮先生じゃないですか」
「あ?」
年上の方が眺めていた克巳に気付いたように、席を立ちあがってこちらに向かって来た。
見覚えがある顔だと思っていたが、近づいて来た顔を見てはっきりと思い出す。
同席していた受付嬢と助手も、顔を見合わせて手を叩いた。
「駅前の店長さん」
「店長代理ですよ、皆さんでお食事ですか」
「まぁな」
待合室に置いているテレビを購入した、家電量販店の人間だったと思い出した。
すい、と後ろに座る若者へ視線を向ければ、向こうも軽く頭を下げて来た。
「部下? 息子?」
「まぁ……元部下、ですかね」
歯切れ悪く答えた男は、会釈をして自分の席へ戻って行った。
微妙な席の距離で、二人の会話は聞こえない。
しかし何か気になると、克巳は二人から視線が外せなかった。
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⇒続く
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萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。