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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2011年01月10日 (Mon)
 道を間違えてしまったお話。 傾向:リーマン / 匂い系 / 微妙な関係

【問題】

「ヒィヒィ言わせてやんよ」

から、妄想お願いします。

拍手[4回]


 
 会社の金を、横領した。
 最初は軽く、領収書を少し改ざんし、上前をハネる。
 次はお客から預かった金額を、少しだけ操作して。
 毎日見ている帳簿と、諭吉の顔が、段々頭に染み込んで。
 俺の金だと、勘違いした。



「出ろ、面会だ」

 のろのろと立ち上がり、連れられるまま向かった先には、直属の上司が待っていた。
 定期的に面会に来る、唯一の身内だ。

「どうだ、体調は。少し窶れたんじゃないか」
「……平気です、麦飯も美味いし」

 捕まるのが怖くて、よりも。あの金を取り上げられたくなくて、逃げ出した。
 地元から、縁も頼りも無い関西に逃げた。
 大好きだと、言ってくれた人と一緒に。
 半年過ぎた頃、この人が迎えに来た。

「顧客への対応は、順調に進んでる。問題は無いから、安心しろ」
「……はい」
「すっかり牙の抜けた狼だな、もともとおまえは、あまり肉食系ではなかったが」

 苦笑する上司につられ、俺も曖昧な笑みを返した。
 この人が俺を見つけた時、俺は名前も知らないオッサンに抱かれてる真っ最中だった。
 金は湯水のように、出て来ない。
 会社からの一千万近い金だって、彼氏と二人で遊んで暮らせばすぐに消えた。
 俺はそれが幸せなんだと、思っていた。
 二人だけの世界はでも、諭吉が少なくなった時点で崩壊していたんだ。

「……あいつ、どうしてます?」
「気に掛けるな、あの男のことは」
「すみません」

 悲しいとか、虚しいとか考える間も無く、俺はあいつを繋ぎ止めたくて、諭吉を手に入れたくて、出来る事をした。
 会社の金も、知らないオッサンから貰う金も、あいつを繋ぎ留めるための、紙縒りみたいなものだった。

「……時々、寝てると夢で聞こえるんです。あいつの声で、ヒィヒィ言わせてやる、って。俺は全裸で、真っ暗な部屋で身動き取れなくて」
「宮永君」
「俺、変ですか?気持ち悪いですか?」
「……だったら、ここまでおまえに会い来ると思うか?」
「部長、暇なのかなって」

 俺も、あいつも泣くことすらしなかったのに。
 この人だけは、ボロ切れみたいな俺を抱きしめて、泣いてくれた。

「出たら、部長をヒィヒィ言わせますね。俺、かなり上手いんで」
「期待してるよ」

 いつもそう、嬉しくなさそうに応えて、あの人は帰って行く。
 今夜くらいせめて、あの人の夢ならいいのに。
 最近は、そんな風に思うようになっていた。


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 雰囲気重視で…と投稿時コメント付けたのですが。
 地元の○A(N協)や、県の機関なんかで相次いで横領のニュースを見て思いついたお話でした。
 



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