オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
不意に眠りが引いて、目が覚めたら……午前3時だった。
「……丑三つ時だっけ、今」
あーやべ、寝る間際までオカ板見てたから、嫌な想像が頭の中でぐるぐる回る。
扉の隙間、クローゼットの隙間、カーテンの隙間から目を背け、布団を頭から被る。
手足を布団から出していると、鎌を持ったバァサンに手足を持って行かれる…と幼い頃から聞かされていた話が、二十歳を越えてもまだ忘れられない。
隙間風の音が、いつもより大きく聞こえ、俺はくるまった布団を強く握りしめた。
……駄目だ、嫌なイメージが頭から出て行かない。
恐る恐る、枕元の携帯を引き寄せ、俺は震える指でリダイヤルボタンを押した。
長い呼び出し音の後、耳障りな音を立てながら向こう側に通じたのがわかった。
『……んな時間に、誰だゴラァっ!』
「ごめん、俺」
『アフォか、クソ野郎! 何時だ今!』
「三時」
『まだ2時間も寝れるじゃねーか、ド畜生っ!』
鼓膜が震える怒鳴り声に、小さく笑う。
見えない、いもしないお化けよりも遥かに迫力ある、『怖い』声なのに。
不思議と俺を、落ち着かせる。
「ごめん、バイト前に」
『ごめんで済むか、覚えとけよ! ……で?』
カチリと、ライターが鳴る音が伝わって来た。
きっとあいつは、布団から起き上がり、ベッドに腰掛けて今煙草をくわえているんだろう。
よくわからない、外国のロックバンドのポスターと、地域発信アイドルのポスターだらけの、東向きの部屋。
その南側の壁に、ベッドがあって、机があって。
いつの間にか、頭の中はあいつの部屋のイメージ一色になった。
「別に用はないんだけど」
『……マジ、ふざけんなよおまえ』
「うん、ごめん」
頭の中が、あいつの不機嫌な顔でいっぱいになる。
苛々と、床を踏み鳴らす足まで想像出来る。
『そんなに俺の子守歌が、聞きてぇか』
「全力で遠慮します」
『ちっ、どーせおまえ、また妙なサイト見てたんだろ』
「まぁね」
『怖がりなら見んなっつーの』
舌打ちと、ごそごそと布団が擦れる音が聞こえる。
強張りを解いて布団を掴む手を緩め、俺はゆっくり目を開いた。
真っ暗な布団の中も、不思議ともう怖くない。
「いつもごめん」
『……もう慣れた、クソ』
寝ろ、と吐き捨てられて携帯が切られる。
枕に頭を預け、俺はそっと目を閉じた。
怖いイメージは、もう頭のどこにも残っていなかった。
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怖がりの人間ほど、何故か怖いモノに惹かれるという法則。
そして一番怖い人間が、一番好き。
お化けなんかより、全然怖い人が好き。
そんな感じの二人でした。
ちなみに私は、寝る前は絶対オカ板は見ません(笑)
あと、入浴前も。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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