オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
食堂の二つ向こうのテーブルで、盛り上がる男女はうちの部署の連中だ。
中心にいるのは、営業成績トップの男。
そして今朝、次期のグループリーダーに指名された男だ。
わざと離れて座るのは、意地というより…関わるのが嫌だったからだ。
どうせ俺は、人望も無ければ成績もパッとしない。
あいつはを羨ましいなんて、思わない。
高みに昇れば、責任ばかり増えて面倒だ。
同じ給料を貰うなら、例え成績が悪くとも適当に手が抜ける今の位置がいい。
「小原」
いちいち呼ぶなよ、俺はおまえの取り巻きになんてなりたくない。
笑顔で持て囃す真似なんて、したくない。
無視を決め込み、カツ丼に箸を付ければ、頭上に影が出来た。
「今夜、みんなが飲み会を開いてくれるっていうんだ。おまえも来ないか?」
「断る。ペットが腹空かせて待ってるんだ」
「そうか」
そんなポーズは要らない。
残念そうに肩を竦める男を見上げ、丼を置く。
同期でデスクが向かい合わせ以外、共通点が何もない男。
睨みつける俺に構わず、奴は向かいの席に椅子を引いて座り込んだ。
「だったら、明日の夜は?」
「……猫がいるって、話しただろ」
「うん、だからおまえの家に行く」
唐突な申し出に、瞬間的に反応が遅れた。
また俺に構わず立ち上がり、奴は元の席に戻って行った。
その背中を眺めながら、自然と俺は箸を握る手に力を込めていた。
――その他大勢の一人のくせに。
沸き上がる言葉を、何度も飲み込む。
あいつは、俺なんて見て無い。
こんな俺に構うのは、ただの自己満足だ。
あいつだって、そう言っていた。
昔、傷つけて仲違いした『友人』に似ていると。
だから、放って置けないと。
あいつのそんな感傷に付き合う義理なんて無い、俺は別にそんなものを望んでいない。
「……くたばれ」
結局同じ轍を踏むんだ、おまえなんて。
真っ平ごめんだ。
すっかり冷めたカツ丼を掻き込み、俺は食堂を飛び出した。
それでも、帰りに床を拭く物を買いに行くかと、考える。
聞こえた会話で知った、あいつの好物を思い出そうとする。
明日の夜を、今から心待ちにする自分が、……大嫌いだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
個人的には非常に、この手のタイプをほだす瞬間が好きなのですが。
私の書く話ツンデレ率…というか、ツン率が高いとある筋から言われまして。
やはりどこかで、捩じ伏せるのもいいけど手懐けたい心理が働くからでしょうか。
卑屈な人程、アホみたいに優しくしてあげたい。
そんな気持ちで書いたお話でした。
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萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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