オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「あ、ども」
「ども。お邪魔しーす」
同じ棚に、新しい仲間が入った。
ぼんやりしていたら、いつの間にか新しい住人が来たらしい。
「おたくは長いんすか」
「……いや。ただ、俺はあんまり人気がないから」
おかしい。
パンの中身で同じものが詰まったあいつは、ヒーローだというのに。
レジ横の餅にくるまれたあいつは、ついでに売れるのに。
「ああ、あんまんてビミョーすよね」
「君は何まんだ」
「人気絶頂、肉まんス」
くそう。
不動のNo.1か。
晴れ着姿の客が入れ替わり立ち替わり現れ、俺達が並ぶケースを眺めて行く。
飛ぶように売れるのは、シンプルな肉まん。
そして、ピザまん。
晴れ時々カレーまん。
俺達あんまんは、そいつらが居なくなった時、諦めて買われて行く。
「俺ェ、超能力使えるんスよ」
「超能力?」
「抱き合わせ販売、起こさせるんス」
は、と思わず鼻で笑う。
残念だったな、No.1。
俺は抱き合わせでも指名が付かない、No.1だ。
「あれ、信じてないスね」
ぴたりと、肉まんが俺に触れて来た。
湿度の高いケースの中で、互いが密着すれば…危険な事が起こる。
「おまえ! くっついたら、皮が……!」
「そうそう、だから一緒に売れるんス」
必死に離れようともがいているところへ、ケースを見つめる客が来た。
男二人連れだ。
背筋が凍る。
男は、あんまんを敬遠する。
剥がされ、皮が禿げれば…俺は食べらることなく、廃棄にされる。
無意識に震える俺を、肉まんは何故か自信ありげに、眺めていた。
「大丈夫ス、絶対一緒に売れるッス」
****
「はい、克巳さん肉ま……」
「おまえが食え高梨!」
「て、言うと思ったんで、ちゃんとあんまん買って来ました」
微かに聞こえる会話に、自分が買われたのをぼんやり悟る。
薄紙に覆われて、辺りは見えないが、肉まんの香りを感じる。
「なんかこの肉まんとあんまん、ピッタリ寄り添ってたんで離したら可哀相だなって思って」
「どうせ腹に入るから、可哀相も何もねぇだろ」
「肉まん達にも、離れがたい相手がいてもいいじゃないですか。俺達みたいに」
「言ってろ」
袋の封が解かれ、俺は人間に引っ張り出された。
すぐそばで、肉まんも顔を出している。
不適に満足げに、笑っていた。
「いただきます」
俺も笑い返す。
歯が当たる感触を、頭に感じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
飛び入りゲスト、克巳さんと高梨(笑)
あんまんさん…いつも売れ残ってますよね。
そんなコンビニの什器を眺めつつ、思いついたお話。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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