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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年12月03日 (Thu)

 傾向:兄弟 / 長男と末っ子 / 偽兄弟(義兄弟)

【問題】

 『兄弟愛』で何かお話をお願いします。

拍手[0回]



 篠塚の家に来たのは、俺が5歳の時。
 その一年後に、妹の美央が生まれて。
 その二年後に、篠塚の父の妹…充の母が亡くなって。充がウチに来て。
 さらにその一年後、一輝が施設から引き取られて。
 三人の弟妹を抱えて、17年目。
 今年の春――俺には、もう一人、15歳の弟が出来た。


 * * *


「何この買い物量。レジ打つ身考えろ」
「育ち盛りの弟達がいるんだ! ウチのエンゲル係数で、この店支えてんだぞ」
「どーも。で、これが新顔の弟君?」

 近所のスーパーの二代目である幼馴染が、一緒に連れて行った亮人を指差す。
 不躾な行動に戸惑う亮人を背中に庇いながら、二代目を睨みつけた。

「アキヒトだ」
「あっきーか、よろしく~」
「よろしくお願いします」

 頭を下げた亮人に満足げに頷き、レジを打ち出した幼なじみに溜息をついた。

「えらくなんか、毛色の違う弟だなまた」
「誰と比べてだよ。充が派手なのは、俺の力不足じゃないぞ」
「一輝は愛想ねぇ眼鏡だし、お兄ちゃんどうなってんのよ」
「だから、俺に全部責任押し付けるなよ」

 カゴに詰まれた商品をサッカー台に運び、亮人は黙々と袋詰めを始めた。
 言われなくても動く様子は、本当に感心する。
 よく出来た子。
 それが逆に、俺に不安を抱かせる。

「…おまえみたいだな、あの子」

 幼馴染の鋭い指摘に、財布を開いた指が止まった。
 思わず、苦笑する。

「だろ? いい子なんだ、あいつ」
「またまたワケ有りかよ、お兄ちゃん」
「まぁな。充みたいにストレートだと、やりやすいんだが」
「みっちゃんかー、あいつわかりやすいくらいお前大好きだもんなー」
「……大嫌いの間違いじゃないか?」
「嫌よ嫌よも、好きのウチ」
「どうかな」
「あんま、新入り可愛いがり過ぎんなよ」

 支払いを終えて、サッカー台に向かうと、亮人はもう袋を提げていた。 
 話し込み過ぎたか、と詫びる俺に笑顔で首を振る様子に、俺は自嘲した。
 一輝も充も、美央も。
 俺と似ていない部分の方が多いのに、このまったく血縁のない少年は。
 ……怖いくらい、似ている気がする。

「保さん?」
「いや、なんでもない。亮人と俺が、似てるって言われたから」
「本当ですか? 嬉しいなぁ」

 はにかむ顔は、歳相応で……無性に愛おしくなる。
 弟として、今まで一番可愛いと思える。
 今更な、これが兄弟愛てヤツなんだろうか。
 だから長男は難しい。



 ……………………………………

 ご近所でも有名な篠塚兄弟です。
 いろんな意味で有名です。
 特に充がやらかした、色々な問題でかなり有名です(笑)
 手のかかる子と、手のかからない子。
 どっちが可愛いかと言ったら、案外難しい選択だったりするなと悩む保です。

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