オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
篠塚の家に来たのは、俺が5歳の時。
その一年後に、妹の美央が生まれて。
その二年後に、篠塚の父の妹…充の母が亡くなって。充がウチに来て。
さらにその一年後、一輝が施設から引き取られて。
三人の弟妹を抱えて、17年目。
今年の春――俺には、もう一人、15歳の弟が出来た。
* * *
「何この買い物量。レジ打つ身考えろ」
「育ち盛りの弟達がいるんだ! ウチのエンゲル係数で、この店支えてんだぞ」
「どーも。で、これが新顔の弟君?」
近所のスーパーの二代目である幼馴染が、一緒に連れて行った亮人を指差す。
不躾な行動に戸惑う亮人を背中に庇いながら、二代目を睨みつけた。
「アキヒトだ」
「あっきーか、よろしく~」
「よろしくお願いします」
頭を下げた亮人に満足げに頷き、レジを打ち出した幼なじみに溜息をついた。
「えらくなんか、毛色の違う弟だなまた」
「誰と比べてだよ。充が派手なのは、俺の力不足じゃないぞ」
「一輝は愛想ねぇ眼鏡だし、お兄ちゃんどうなってんのよ」
「だから、俺に全部責任押し付けるなよ」
カゴに詰まれた商品をサッカー台に運び、亮人は黙々と袋詰めを始めた。
言われなくても動く様子は、本当に感心する。
よく出来た子。
それが逆に、俺に不安を抱かせる。
「…おまえみたいだな、あの子」
幼馴染の鋭い指摘に、財布を開いた指が止まった。
思わず、苦笑する。
「だろ? いい子なんだ、あいつ」
「またまたワケ有りかよ、お兄ちゃん」
「まぁな。充みたいにストレートだと、やりやすいんだが」
「みっちゃんかー、あいつわかりやすいくらいお前大好きだもんなー」
「……大嫌いの間違いじゃないか?」
「嫌よ嫌よも、好きのウチ」
「どうかな」
「あんま、新入り可愛いがり過ぎんなよ」
支払いを終えて、サッカー台に向かうと、亮人はもう袋を提げていた。
話し込み過ぎたか、と詫びる俺に笑顔で首を振る様子に、俺は自嘲した。
一輝も充も、美央も。
俺と似ていない部分の方が多いのに、このまったく血縁のない少年は。
……怖いくらい、似ている気がする。
「保さん?」
「いや、なんでもない。亮人と俺が、似てるって言われたから」
「本当ですか? 嬉しいなぁ」
はにかむ顔は、歳相応で……無性に愛おしくなる。
弟として、今まで一番可愛いと思える。
今更な、これが兄弟愛てヤツなんだろうか。
だから長男は難しい。
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ご近所でも有名な篠塚兄弟です。
いろんな意味で有名です。
特に充がやらかした、色々な問題でかなり有名です(笑)
手のかかる子と、手のかからない子。
どっちが可愛いかと言ったら、案外難しい選択だったりするなと悩む保です。
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。