オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
気が付いたら、見覚えない色の安っぽいソファーの上だった。
「酔い潰れてたから、約束通りお持ち帰りしたんですけど」
見覚えある顔が、ミネラルウォーターのペットボトル片手に近づいて来た。
――ああ、永戸とか言う奴だ。
なんか、最近絡んで来る面倒臭い奴。
眼鏡がいいとか、ツンデレがどうとか。
俺って、眼鏡がなけりゃ存在感ないの?
ああ……なんでかムカムカが、収まらない。
「金谷? おーい、まだ酔ってんのか?」
「酔ってる」
水を受け取る振りをして、奴の腕を引く。
バランス崩した永戸を足払いして、床に引き倒した。
「はい? ……って、痛かったんスけど、忍サマ」
「収まらないんだよ、ムカムカと、イライラ」
「……吐くなら、トイレでどーぞ」
「ね、付き合ってよ」
ソファーから降りて、そのまま永戸の腰を跨いで座る。
腹の上に手を置いたら、永戸の顔が急に、険しくなった。
「金谷、冗談そこまで。つか、俺がここまで限界」
「限界ってなんだよ、まだ何もしてないのに」
「あのな! 酔っ払いと酒の勢いで俺は、こんなコトしたくねーんだよ!」
「こんなコトって、何だよ」
ワケわかんないし。
俺、だよ?
俺がこうやって、わざわざシャツめくってやってんのに。
なんで喜ばないかな、コイツ。
コイツも俺、どうでもいいのかな。
「金谷! 本当に落ち着けって!」
勢いよく起き上がった永戸と、額がぶつかる。
眼鏡越しに、あいつの本気で怒った顔が見えて、おかしくて笑った。
「何、本気にしてんの? 俺がお前なんか相手するワケないじゃん」
永戸なんか、どうでもいい。
チカが、俺を置いてくから。勝手に、離れてくから。
なんとなく、隣が空いてるのが、慣れなくて置いてるだけだ。
「……金谷、あのさ。こーいう真似するなら、本気で俺の存在、認めて下さい」
「は? やだよ、お前なんか絶対やだ」
「だったら、なんで俺呼び出すかな……マジで」
疲れた顔で、俺の頭を永戸は引き寄せた。
永戸の胸に、眼鏡が当たる。
「……お前なんか、要らない」
「要らないなら、構わないでよ。俺は、金谷とさっきの続きちゃんとしてぇよ」
「……やだ、絶対やだ」
コイツなんかじゃない。
もう、俺が欲しいのは手に入らないんだ。
…………………………………
面倒臭い二人です。
懐いたと思って手を出すと引っ掻く、ネコみたいな忍様と。
限界っぱいまでじゃれる犬みたいな永戸隊長と。
実は、組み合わせ最悪なのかもしれません。
だからこそ、隊長頑張るわけですが。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。