オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
気がついたら、パパとママからはぐれてた。
「……おい、俺は食い物買って来いって言ったんだ。なんでガキ拾って来てんだよ!」
「だ、だって迷子で泣いてたです!」
怖い!
カッコイイけど怖いお兄さんが、僕と、僕の手を引いて連れて来てくれたお兄さんに向かって、大声を出した。
ギュッと手をにぎる力を強くしたら、お兄さんが頭を撫でてくれた。
「花嶋君、この子怖がってるですよ」
「うるせぇ、さっさと迷子センター連れてけよ」
「は! そうか! 行ってくるでごさる!」
え、て振り向く前にお兄さんは、手を離して走り出していた。
残されたのは、僕と怖いお兄さん。
「……たく、あの馬鹿が」
怖いお兄さんは、僕をちらっと見て座ってた隣の席を、指差した。
「座れ、下手に動くとあの馬鹿が今度はぐれる」
「は、はい」
ママがいたら、凄い騒ぎそうなお兄さんだな。
さっきのお兄さんは、なんかちょこちょこしてたけど。
なるならやっぱり、こういうカッコイイお兄さんになりたい。
じっと見つめてたら、お兄さんは眉を寄せて僕に振り返った。
「じろじろ見んな、ガキ」
「ご……ごめんなさいっ」
「お前、名前と歳は?」
「花沢千夏、9歳です」
「チカ……?」
「うん、千の夏で」
「マジ? ……たくあいつは、よく見つけたな」
あ、笑った。
怖い顔が急に、優しい目になった。
お兄さんは、走っていたお兄さんの方向見ながら、また口のはしっこを上げて笑った。
急に、心臓がドキッてなる。
お兄さんの優しい顔は、なんかすごくカッコよくて、ドキドキした。
「さっきの馬鹿も、チカだぜ。あだ名だけどな」
「そ、そうなの?」
あ……声も、カッコイイ。
アニメの無口なキャラみたい、パパの声より好きな声。
「たいした偶然だな」
「う、うん」
「チカ、な」
なんで、名前呼ばれるとこんなドキドキするんだろ。
みんな、僕を名前で呼ぶのに。
お兄さんは、僕の髪の毛をくしゃってすると、また向こうを向いてしまった。
「遅ぇな、あの馬鹿」
「うん」
「たく……面倒増やすんじゃねぇっての。早く戻れ」
それにはうん、て答えなかった。
ちょっとだけ、今。
パパとママが見つかるのが、遅くてもいいって思ったから。
チカさんが、帰って来るのも。
もう少し、ドキドキを楽しませてほしいなって。
また、怒り顔になってきたお兄さんを見ながら、僕は思っていた。
………………………………………
なんてことが、起こっていたらしいです(笑)
花嶋カッコいい設定を、時々忘れそううになるのですが。
小学生とならば、元祖チカちゃんも貼り生えるのではないかと思ったり。
⇒前へ
▽ランキング参加してます★お気に召したらポチリお願いします。
にほんブログ村
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。