オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
ちょーっとこの並び、おかしいですよね?
うん、おかしい。
何故に、金谷と俺の間に、チカちゃんとチカちゃんのダーリンが挟まってるんですか、と。
俺ら、端っこ同士なんでしょうか、と。
向かう電車の中で、思ってるワケです。
「永戸君も、食べるですか?」
「あ、チカちゃんありがと~」
ダーリンの向こう側から、差し出されたポッキーに伸ばしかけた手首を、俺は突然掴まれた。
「……あの、何か? 花嶋サン」
「気安く名前呼んでんじゃねぇよ、コイツの」
あーあ。怖い顔で睨まれたし。
諦めて俺は、座席脇のポールに頭を預けた。
窓越しに、チカちゃんと談笑する金谷の横顔が見える。
まったく、あの眼鏡はどんだけ雲ってるんだか、映る相手限定過ぎる。
「……壁だしな、俺。仕方ないか」
空しいぜ、壁。
よみうりランドに着くまで、俺は端っこキープで、無言で座り続けた。
* * *
「おい、おまえ」
「何でしょうか、花嶋サン」
「眼鏡の付添人なら、ちゃんと面倒見ろよ。ウゼェ」
「残念ながら、俺は付添人ではなく、今日は壁です」
怪訝な顔の花嶋氏に構わず、俺は離れたところでキャッキャしてる眼鏡に溜息をついた。
金谷の眼鏡は、端っこを捉えない模様です。
かなり精度低いだろ、あの眼鏡。
「……おまえ、あの眼鏡のなんだ?」
「だから、壁だってば」
「ヤッてねぇの?」
「そういう直接話法は、ボク苦手だにゃあ」
「面倒臭ぇな、おまえ」
「あそこの眼鏡ほどじゃ」
花嶋さんはストレートで、羨ましおすなぁ。
乾いた笑いを浮かべた俺に、花嶋氏は同情めいた顔を見せた。
初対面の人に同情されてる俺って、もしかしなくても可哀相?
視界の隅にすら映らない俺の存在価値って、なんでしょーねぇ金谷。
俺がいつまでも、ヌリカベしてると思うなよ。
モノ言わぬ壁よりも、俺は動けるんだからなー。
………………………
永戸可哀相祭。
まるで休日のくたびれたお父さんのような花嶋と永戸、と考えると悲哀でいっぱいです。
花嶋も、頑張れ(笑)
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【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。