オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「……なんだかなぁ、この解答」
「高梨先生、どうしたんですか?
隣から聞こえた呟きに、顔を上げたら難しい顔で唸る担任の姿があった。
「いや……頭痛いな、まったく。日本人だろ、あいつら」
「また、珍解答?」
「ああ、みんな三波みたいに熱心に話し聞いて勉強してくれたらいいのになぁ」
褒められたことに、擽ったさを感じつつ、僕は先生の顔をそっと仰ぎ見た。
現国の高梨先生は、ウチの高校ではかなり若い部類に入る。
若くて、優しくて、カッコイイと女子には大人気だし、男子受けもいい。
でも、肝心の授業結果がテストに反映されないのが悩みだと、高梨先生は前言っていた。
……僕たちだけの秘密だ。
「三波、テスト明けでクラスの連中とカラオケとか行かなくていいのか?」
「いい。だってテスト前に、リクエスト本入荷したって司書の先生に言われてて、そっちが気になってたし」
「本の虫だな、三波は」
笑うと目尻に出来る皺が、すごく先生を優しく見せる。
先生は、採点の手を進めながら、チラリと僕を見て来た。
「なぁ、三波」
「はい」
「こないだの話」
「……はい」
「今、言っても大丈夫か?」
「覚悟、出来てます」
テストが始まる前。
テスト勉強期間で、図書室が閉め切られる前、やっぱりここに来ていた僕は、やっぱり仕事をしていた先生に、告白をした。
好き、と初めて伝えたいと思った人。
「ごめんな、三波」
「いいえ。わざわざ丁寧にありがとうございました」
手を止めて向き合った先生に、僕は頭を下げた。
先生は真摯な眼差しで、僕を真っ直ぐに見てくれた。
あの日、告白してから初めて。
「じゃ、僕そろそろお腹空いたから帰ります」
「ああ、気をつけてな」
「先生も、テスト採点頑張ってね」
「おう。また、授業でな」
「……はい」
多分、もう図書室で二人きりにはならない。
最後の幸せな空気を、胸いっぱい吸い込みながら、僕は扉を閉めた。
ねぇ、先生。
次のテストで僕も、珍解答書いてもいいかな。
……そのくらいの意趣返しは、許してくれますか?
………………………
高梨恭平。克巳さんと付き合ってる男は、高校教諭です。
25歳、先生2年目ですね。
図書室は、私も高校の頃は庭でした(笑)
一応、3年間委員で3年時は委員長ですかね!
私の担任だった、国語教諭もよく回答にぼやいてました(笑)
………………………
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。