オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
……なんだこれ。
お通夜かよ。
無理矢理持たされたグラスワインを、高梨は無言で煽ってる。
犀川は、不気味な笑顔。
俺は、胃が痛い。
畜生、ワインが染みる。悪酔いするだろ、くそ。
「いい飲みっぷりだね」
「……奢りだそうですから」
車だからと、頑なに断り続けていた高梨だったが、代行と飲み代を持つと犀川が強引に押し切った。
一人場違いな、スエット姿の高梨と、スーツ姿の俺達という奇妙な男三人の組み合わせは、人目引きまくりだ。
「三人とも、先生だよね。高梨君は、教師だけど」
「……ええ。歯科医と精神科医は、どういった共通項があるんですか?」
「歯科医と教師だって。君、克巳君の患者じゃないんだろ?」
犀川の楽しそうな顔が、ムカつく。
その癖、高梨を見る目は品定めするみたいに、やけに真剣だ。
そういえば、犀川に付き合ってる相手を見せたのは初めてだ。
こいつが、こんなに興味示すのも。
「僕はね、克巳君の先生だよ。いろいろな勉強のね。克巳君が床上手なのも、僕の指導のおかげだよ」
椅子を派手に鳴らし、高梨は止める間もなく立ち上がった。
客がざわめき、店員が飛んで来る。
「ああ、帰るから会計と代行お願いします」
飛び掛かる勢いの高梨を片手で制して、犀川は平静な声で店員にそう告げた。
* * *
「じゃあね、高梨君に克巳君」
さっさとタクシー乗り場に向かう犀川を、高梨は見ない。
俺は犀川を追い掛け、その膝裏を蹴り付けた。
「何余計な事べらべら喋ってんだよ、あんた!」
「余計? そうかな。克巳君の過去は、あのアルバムだけじゃないっていう、事実だよ」
「勝手に……!」
「火種が多くないと、火は着かないからね。結果はきちんと報告してね、宿題だよ」
コートを翻した犀川を飲み込むと、タクシーは静かにドアが閉まった。
走り出した車に、舌打ちを零す。
火種どころの話じゃねぇだろ、あのクソ医者。
宿題だ?
ふざけんな!
「克巳さん」
植え込みの縁に腰掛けていた高梨が立ち上がり、俺を呼んだ。
久しぶりの二人きりが、息苦しい。
原因は、犀川だと思いたいが、それだけじゃないんだろう。
「……来ましたよ、代行。送ります」
「いい」
「え?」
「俺の家じゃなくていい、おまえの家に帰る」
犀川の策に乗るのはシャクだが、使えるモノは使ってやる。
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萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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