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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2010年02月17日 (Wed)

 ⇒続きです

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 話すと長い、と前置きした俺に構わず、高梨は「身体にも聞きます」と、のしかかって来た。

「全部、聞かせて下さい」

 素っ裸で、ベッドに潜り込み、ただ額を突き合わせて指先だけを絡ませる。
 妙な図だな、と思ったが不思議と気持ちが落ち着いたので俺はそれを咎めなかった。

「マックスの体重は、85キロだった。身長は、今より10センチ低い」

 親は、小さい頃から括れ一つない俺を、おかしいと思わなかった。
 俺至上主義。
 総合病院長として、外ではやり手と言われてた父も、実の息子には激甘だった。

「性格最悪のデブだってのが、学年での俺の評価だった。色だけはずっと白かったから、『肉まん』 他の奴らは、俺の足元にも及ばないクソだとずっと……言い聞かせてきた。仲間に入れないんじゃねぇ、入らないんだってな。おまえだって、そんな生徒いたら面倒臭いだろ
「正直、難しいですね」

 苦笑した高梨の、指を抓る。
 一息つくと、俺はまた話を続けた。

「中学に入ってから、嫌がらせが執拗になって来てな。親には言えない、泣き喚くのもプライドが許さねぇ。…そんなストレスから、不意に食事が摂れなくなった」
「摂食障害……それで、犀川先生が?」
「いや」

 首を振り、俺は細い息を吐いた。

「その頃はまだ、あいつには出会ってない。……あいつと会ったのは、高三になってからだ」

 俺がおかしくなって来た事に、漸く気付いた両親は、半ば強制的に1時間以上もかかる隣の市の私立高校に入学を決めた。
 犀川と出会った、あの頃。
 俺は、自分が大嫌いで仕方なかった。
 俺を取り巻く環境も、外見の変化に伴って気付いた、…自分の性癖も。

「男子校に行ったら、超モテてな。その頃はもう、身長も伸びていい具合にバランスが取れるようになってた。それでも、『最後の一線』てヤツが越えられなくてな、高三まで」

 父親の知り合いのツテで、家庭教師に来た犀川は、そんな俺の救世主だった。
 初めて得た、理解者。
 そして指導者。

「全面的に、俺を肯定した。持ち上げるんじゃなく、あるがまま……受け止めた初めての奴だった」

 開放感をあんなに感じたのは、18年生きていて初めてだった。

「だから、犀川と……寝たんだ。18の時に」

 呟いた声に、高梨は絡めた指に力を込めた。


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