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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年11月20日 (Fri)

 ラジオ番組本番編。シマネコの前に現れたYAMATOは…

 【問題】

【再会】というお題で萌えさせて下さい!

拍手[2回]



 もし、願いが叶うならば、もう一度会いたいと思う人が三人いた。
 他界した両親と、……高校の頃ひそかに心の支えにしていた彼。
 高齢の親という家庭環境から、同年代の同級生と隔たりを感じていた俺に、話しかけてくれた彼と。
 その頃の面影が微かに残る、精悍な顔の男性が今、俺の前に立っていた。
 茫然と、目を見開いて。
 

「シマネコ……て、お前……西村? 西村慶太郎か!」
「山本……冬耶? ヤマトさんが?」

 息が出来ないとは、こういうことなのか。
 緊張と歓喜と興奮とで、酸欠になり、頭がクラクラして来た。
 せっかく会えたYAMATOさんの顔が、霞んでくる。

「おい!」

 傾いだ身体を、彼が支えてくれたと思った瞬間、目の前が真っ白になった。


  * * *


「よ」

 眼を開けた瞬間飛び込んで来た顔に、俺は短い悲鳴を上げた。

「酷ぇ、ぶっ倒れたお前、介抱してたのに」
「え……」

 頭の下に当たる固い感触、覗き込む顔の位置。
 俺は控室のソファーで、山本…いやYAMATOさんにひざ枕されていた。

「な、何して……!」
「お前って、寝顔も綺麗だな」

 顔にかかっていた髪を梳かれ、俺は思わず心地よさに眼を細める。
 が、先程の言葉を思い出し、慌てて身を起こした。

「き、綺麗とか、嘘つけ! 引きこもりの、根暗な、むさい男に!」
「お前は昔から、綺麗だったよ。通学電車で、一人ヘッドフォンで音楽聞きながら、文庫読んでた顔も、綺麗だった」

 懐かしむように、柔らかな表情を見せる彼に、俺は目を瞬いた。
 俺達は、学校に向かう通学電車の15分だけの、友達だった。
 短い時間で、彼からの質問に答える……それだけの。
 ただ彼は、俺が答えた文庫や、聞いていた音楽を、必ず自分も試してくれた。

「……今夜は、俺に会いに何年かぶりに外、出たんだよな」

 小さく頷けば、不意に肩を掴まれ、勢いよく抱き竦められた。

「やま……!」
「よくやった」

 メールで、俺がどんな生活をしていたかを、彼は知っている。
 その彼が、俺を労ってくれた。
 ここまで来た、俺を。
 一番会いたかった人が。

「……泣くなよ」
「うっ……く、うん……!」
「おいおい、本番はまだこれからなんだからな」


 彼の声も、肩も、掌も。
 そのすべてが暖かくて、鳴咽はなかなか止まらなかった。



 …………………………

 本番~最終回まで、一気に投下致します。
 長らくお待たせして、申し訳ありませんでした(>_<)


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