オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
チカを、特別意識するようになったのは、いつからだったか。
出会った頃から、頭のネジ緩くて、やることなすことツッコミ処満載な奴だと思ってたけど。
裏表なく、俺を純粋に、『賢い金谷君』として慕ってくる姿が可愛くて。
弟分みたいな存在から、もっと……いつからか俺には必要な、心の寄り処になってた。
順調に上手く周りを騙して、高校は同じ都立に進んだけど。
大学はさすがに、教師にダメ出しされまくった。
チカ本人からも、俺にはちゃんと見合う大学に進学してほしいって、説得されて。
それがまさか、運命の分かれ道だなんて思いもしなかった。
今年の夏まで。
* * *
「でね、花嶋君もお揃いパンツ穿いてくれたです!」
「ふぅん……そ、よかったね」
嬉しそうに笑う顔。
見せられた携帯の画像に写ってる、バカ嶋以上に今の俺が不機嫌な顔してるのも気付かない緩い頭。
そこが可愛いなんて、今はとても言える気分じゃない。
「お似合いだね」
「ハイです! あ、金谷君も穿くですか?」
「遠慮しとくよ、俺、無地以外穿かない主義なんで」
「そうですかー」
『なんで、あいつなんだ!』と、問い詰めるカッコ悪い俺が想像出来なくて。
俺は、いつまでチカの前で笑ってられるんだろう。
「金谷君? 気分……悪いですか? 顔色が」
「ん? 飲み過ぎたんじゃないかな」
「わー! じゃ、水! え、お湯? 飲むです!」
「平気。……ただの悪酔いだから」
今、このムカムカするのは酒のせいなんかじゃないのは、自分が一番わかってる。
そんなタイミングで、チカの携帯にあいつから電話がかかって来て、俺はあからさまに舌打ちをした。
勢いだけで、俺も携帯を取り出して、ムカムカを解消出来る相手に電話をかける。
「永戸? 今、暇?」
『あら、忍サマ珍しー。何のご用ざましょ』
「……今からチカ帰るから。そしたら代わりに飲みに付き合ってよ」
『ハイハイ。俺行くまでに、ちょっとは酔い冷ましててね。酔い潰れたら、確実お持ち帰りですよ、いい?』
「絶対ないし。……シモキタにいるから」
『了解』
チカも通話を終えて、いつものように慌ただしく頭を下げて、店を飛び出して行く。
今更、なんだとわかってるのに。
なんで俺はこんなに、未練がましいんだろう。
……チカは、なんで俺にこんなに必要なんだろう。
「バカだから、かな。俺も、チカも」
すっかり薄くなってる焼酎の水割りを、嘗めながら。
俺は、呼び出した暇潰しが来るまで…眠った。
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意外と堂々巡りな、忍様。
諦めたフリして笑っている人の方が、大変だよなぁと思ったり。
まだ、よそ見出来ない忍様です。
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。