オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
駅前の、木々を飾るイルミネーションが、窓ガラスに反射する。
窓の外すぐに立つ、巨大クリスマスツリーを眺め、俺は溜息をついた。
あと一週間でクリスマスイヴだっつう、世間は、クリスマス一色だ。
「……あんな知らないオッサン祝うなら、俺を祝え」
駅ビル2階の、このパスタ屋の窓際だって、来週は予約で埋まる。
クリスマスだからだ。
「天使らしからぬ発言じゃないかな、克巳君」
「俺は孤高の天使だからいいんだよ」
向かいの席で、優雅な手つきでフォークを回す犀川を、俺は軽く睨み付けた。
久々に食事とカウンセリングをしないかと、電話が来たのが今日の昼間。
ぎりぎりまで返事をしなかったが、今日もこいつ以外からお呼びがかからなかった。
「早いけど、誕生日のお祝いが出来て良かったよ」
「プレゼントは?」
「何が欲しいの、キミ。連絡くれない彼氏からの、連絡?」
「……うるせぇな」
西口にある心療内科の二代目、犀川肇。
俺の初めての男で、俺のメンタル面の主治医。
大概、冬場になると荒れる俺を、犀川はこうやって食事に連れ出してくれる。
今年は、こいつの世話にならないと思ってたのに。
「彼氏、克巳君のアルバム見ても引かなかったんだろ?」
「……ああ。逆に俺がドン引くくらい、昔の俺も可愛いとか抜かしやがった」
「いい彼氏じゃないか」
「あいつの頭、絶対ぇ壊れてる」
アレと今の俺を見て、変わってねぇとか。
信じらんねぇ。
俺がこの天使の美貌とボディを、どれだけ頑張って手に入れたと思ってんだあの馬鹿。
そう思ったら、腹が立って高梨を叩き出していた。
「来週の誕生日には、ちゃんと会うんだろ?」
「連絡もねーのに、どうやって」
「克巳君から、連絡したらいいじゃないか。キミが叩き出したんだから、招くのはキミだよ。順序とさて」
犀川との会話は、時々頓知みたいで疲れる。
俺は犀川から視線を外し、窓の外を向いた。
「……あいつ、クリスマスイヴと俺の誕生日どっちを祝う気でいたんだろうな」
「どっちもじゃ、ダメなのかい」
「オッサンより俺だって、言ってんだろ」
今までの奴らは、一緒にクリスマスと誕生日が出来て楽だと言っていた。
親以外、クリスマスと誕生日を分けて祝われたことがない。
「訊いてみようか」
「は?」
犀川は、そう言うと俺の前から携帯を取り上げた。
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【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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