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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月16日 (Sat)
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2010年02月17日 (Wed)

 ⇒続きです

拍手[1回]



「克巳さんの事、本当言って俺全然理解出来ませんでした。俺の、今までの人生にない規格外の人で」

 ……そうかよ、と悪態つきたかったが、それを堪える。
 こいつの、こういう遠慮のねぇところが、俺だって理解不能だ。

「人にハマるって、こういう事なんですね。未知数過ぎて抜けられない。俺の目に見えない部分で、隠れてる克巳さんをずっと捜してた」
「おまえ、変わってんな」

 漸く搾り出した声に、高梨は少し肩を竦めた。
 俺の頭の脇についてた手を避け、真上から覆いかぶさる。

「克巳さんほどじゃ、ないですよ」
「人を変人みてぇに言うな」
「変人じゃないですよね、恋人」
「……あ?」
「こないだの期末テストで、思いっきり書き間違えてた子がいましてね。だから俺、生徒の前で『先生の恋人は変人だよ』って話したんです」
「はぁ!?」
「あんまりにも会えないから、吐き出してやろうと思って」

 笑ってそんな事を抜かすこいつが、信じらんねぇ。
 どんなに睨みつけても、高梨は見慣れた笑い皺を深く目尻に刻んでるのがわかった。

「さっきは、犀川さんに凄い苛ついてましたけど。今は感謝したいですよ」
「あ?」
「毒出す穴を、開けた人だから。……残りの毒は、俺が全部吸い出すんで、あげませんけど」

 わざと首筋に噛み付いた高梨に、俺は身を固くした。
 布団で、全裸で絡まって。
 俺の楽しくもねぇ昔話なんかよりも、違う方がいいんじゃねぇのか。
 視線で、問い掛けたが高梨は緩く首を振っただけだった。

「それは、来週のお楽しみに。それより、もっと聞かせて下さい、子供の頃の克巳さんの話とか。いつから天使なのか、とか」
「そんなもん、生まれた時からだ」

 母親は、若くして結婚したが、なかなか子供が出来なかった。
 長い不妊治療の結果生まれた俺を、本当に天からの授かり物だと喜んだと何回もガキの頃から聞かされていた。
 だから、俺が何をしてもどんな姿でも、あの親は何も言わなかった。
 ……今なら、そうなんだろうなとわかる。

 結局俺達は、新聞配達が来て、窓の外が明るくなるまで、長い積もる話をし続けた。
 この歳になって、久しぶりに完徹で俺達は仕事に行く羽目になった。


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