オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
久しぶりに、週末何も予定なく一人、部屋で過ごす。
予定は無くても、仕事が詰まってるのは師走だからだ。
期末テストの採点に、成績表の作成。
……忙しい振りして、連絡をしていない。
あの日、克巳さんと話してから。
もう、1週間。……本物には会ってなかった。
「俺からじゃ、意味ないんだよなぁ」
発泡酒の缶を回しながら、テレビ画面見つめる。
録り溜めた、『今日のわんこ』がこんなにつまらないと思ったのは、初めてだ。
理由は簡単、隣に克巳さんがいないからだ。
俺一人だけの、6畳の部屋を見渡し、溜息をつく。
最初、この俺の安くて狭いアパートに連れて来た時、克巳さんは本気で嫌そうな顔をした。
そりゃ、25階建ての高層マンションに住む人に比べたら、俺なんか超庶民ですよ。
せっかくの高層マンションなのに、高いところが嫌いで3階に住んでる克巳さん。
俺の部屋で、いつも文句言ってた克巳さん。
録画に集中してる俺の膝に乗ったり、間に入って来た克巳さん。
……頭の中、どれだけ克巳さん一色だよ俺。
あの人が初めてなワケじゃないのに。
けど、新鮮な驚きを毎回俺に与えてくれた人だ。
あんなに、繊細と脆さをガチガチの鎧でガードしてる人、初めてだ。
その理由を、ずっと知りたかった。
あの人が隠す何かを、知りたいと思っていた。
開けてはならない、パンドラの箱。
克巳さんが隠したがってたのは、まさにパンドラの箱だった。
開けさせたのは、俺だ。
「あー……寒いなぁ」
畳に転がり、薄茶けた天井を見上げる。
シミ一つない、克巳さんの白い肌を不意に思い出して、息子が自己主張を始める。
それに苦笑して、俺は目を閉じた。
克巳さん。
あのアルバムなんかじゃなく、克巳さんの閉じたパンドラの箱には。
希望と言う名の、俺はいますか?
俺の名前を呼ぶ克巳さんの姿だけで、あっさり果てた息子と汚れた掌を、ティッシュで拭いカレンダーに目を留める。
丸が付いた24日まで、あと11日。
その日は、一人じゃなく二人で過ごせたらいいと、俺は強く願った。
克巳さんも、同じならいいなと思いながら。
………………………
長らくお待たせしていました、克巳さん誕生日にまつわるクリスマスの話です。
時期がズレてすみません。
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【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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