オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
* * *
高梨ん家のカレンダーに、しっかり24日に丸が付いていた。
自分のデスクの卓上カレンダーを持ち上げ、明後日に迫ったクリスマスイヴを眺めていた。
「先生、今年はクリスマスイヴのご予定バッチリですか?」
「な!」
開業からのスタッフである受付嬢が、いつの間にかお茶片手に覗き込んでいた。
年末の歯科医は、地味に忙しい。
明日は祝日で、今は朝からどうにか飛び込みで来る患者を捌き捲り、漸く一息ついたところだった。
高梨も高梨で、学期末で忙しいとか言いやがって、あの日から会ってない。
「俺の予定なんてどうでもいいだろうが」
「いいワケないでしょ~?急に午後休診とか言い出したから、スケジュール調整大変だったんですよ、あたし」
「あー……そりゃ、悪かったな」
飛び込みの患者なんて受付てた日には、終業時間なんて軽く無視になる。
高梨と、会った翌日スケジュール一切を24日の午後は空けるようにした。
これは、異例中の異例だ。
つーか、人生初だ。
「星宮先生が、あたし達スタッフにサービスなワケもないから、先生の都合だろうって。みんな言ってますよ」
「ありがたく休んでおけよ」
「ですねー」
お茶を置いて出て行く彼女を見送ったら、今度は携帯が震え出した。
休憩させろ畜生、と思いながら表示された名前に溜息をついた。
「……なんだよ、犀川」
『宿題は、順調?』
何が楽しいだか、愉快そうな声が飛び込んで来た。
あの日からこっちは、放置しまくりだったのを思い出した。
「順調、じゃあな」
『こらこら、それじゃ報告にならないだろ』
「クソ忙しい」
『明後日、午後休診してまで何するの?』
……なんで知ってんだコイツ。
「恋人達のクリスマス」
『誕生日じゃなく?』
「細かい事はいいだろが」
『元気になったんだね、克巳君』
不意に改まった口調に、俺は携帯を見つめた。
『お役御免に、もうなれるかな』
「……高梨は、おまえじゃなくても治せるって息巻いてたぜ」
『いいんじゃないかな。もう、僕が君を助けなくても』
「犀川……」
『別に、患者と医者でも、元カレじゃなくても、僕は克巳君とは友達だから。それは心配しないでね』
犀川の言葉に、携帯を握り締める。
言い返そうとしたのに、言葉に詰まる。
そんな俺に、犀川は静かに言った。
『おめでとう、克巳君』
⇒次へ:前へ
▽ランキング参加してます★お気に召したらポチリお願いします。
にほんブログ村
PR
この記事にコメントする
☆New Entry☆
(06/22)
(06/20)
(06/20)
(06/18)
(06/18)
(06/17)
(06/15)
(06/15)
(02/16)
(02/16)
トップ記事へ戻る。
(07/01)
(07/02)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
カテゴリー
各作品はこちらから
お好みのカテゴリーへ飛んで下さいませ
LINK・RANKING
お世話になってます。
BL♂GARDEN様以降はランキング・検索サイトです。
お気に召したら、ポチっと頂ければ、こっそり管理人喜びます。
訪問者
ご来訪ありがとうございます。
アクセス解析
プロフィール
HN:
智祢
HP:
性別:
女性
趣味:
TVダラ見(ドラマとバラエティ) 妄想
自己紹介:
腐女子歴人生の半分。
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。