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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2010年02月17日 (Wed)

 久々の単発モノで。全3話完結。 傾向:年下(16)×年上(18) / 強引×気弱

【問題】

 我が儘アイドル×弱気アイドルで妄想して下さいませ!

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「なぁ、俺そっちがいいんだけど」
「あ、はい。どうぞ」

 歌番組収録の前室。
 出番待ちで出された、オレンジジュースを飲んでいたオレを、孝哉君は指差した。
 孝哉君の手には、烏龍茶。
 口つけたヤツでいいかな、と考える前に孝哉君にカップを奪われる。

「どうも、水城サン」
「……いいえ」

 おざなりな挨拶に苦笑して、彼が飲まなかった烏龍茶に口をつける。
 芳賀孝哉君、16歳。
 オレより二つ年下だけど、芸歴はずっと先輩の超売れっ子スーパーアイドル。
 グループで売り出す事の多い彼の事務所で、彼は異色の存在だった。
 ずっと、一人。
 オレは、たまたま趣味で路上で唄っていたのを今の事務所の社長にスカウトされた。
 年齢の割りに高い声、一見性別不明なところが面白いらしく、そこそこ人気を得ている。

「水城サン」
「なに? ……芳賀さん」

 年下でも、この世界は芸歴がモノを言うから、オレは孝哉君を孝哉君と呼べない。
 そんな息苦しさを感じながら、返事をしたオレに、孝哉君は険しい顔をしていた。

「バカにしてんの、アンタ」
「え、なんで?」
「いっつもそうやって、余裕こきまくった態度で、ムカつくんだけど。怒んねーの?飲んでたの取り上げられて」
「別に、そのくらいじゃ……。でも、そんなボクの態度が気に入らなかったら、ごめんね」

 孝哉君は、綺麗な眉を潜めて、飲みかけのカップをテーブルに叩き付けた。
 正直、いつも些細な事で孝哉君が突っ掛かって来るから、……嫌われてるんだろうなと思ってて。
 彼の気の済むように、従ってたんだけど。
 それも気に入らなかったんだろうか。

「……クソッ! 言っただろ、俺無視すんなって!」
「してないよ? 今だってちゃんと……」
「そうじゃない! ……それとも、無かった事にしてんの? アレを」

 少し声を潜めた孝哉君の指したアレに、オレは思い当たり俯いた。
 先週、別の局で会った時――いきなり、キスされた。
 控室に来て、いつものようにいろいろ当たられた後で。

「……忘れて、ないよ」
「ならなんでそう、態度変わらねぇんだよ! 鈍感かアンタ!」
「だ、だって孝哉君あれは……嫌がらせじゃ……あ」

 しまった、動揺してつい、心の中で呼んでるように孝哉君て言ってしまった。
 焦るオレに孝哉君は珍しく照れたようなふて腐れた顔を見せた。

「芳賀クンとキモい呼び方すんな。俺と恋人になるんだからな、水城は」


 ……………………………………

 久しぶりの長期シリーズ物以外です。
 芸能界事情は当然、フィクションです。




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