オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
恋人って、何だろう。
いや、好きな人同士が想い通じてなる関係なのは、さすがに18になればわかるけど。
……孝哉君が、なんでオレ?
オレ本当に鈍いのかな。
「溜息つくと幸せ逃げるぞ、水城」
「うん……」
帰りの車中で、ずっと物思いに耽ってたオレに、マネージャーの榊さんは意味ありげな表情を見せた。
「孝哉君に何か言われたか?」
「え……、うん」
「ウチみたいな弱小事務所なんて、って言ってた彼がさ。こないだ『水城と交際させろ! 事務所移籍してやる!』て息巻いて来てさ~」
苦笑する榊さんに、オレは目を見開いた。
えーと……孝哉君、なんか常に一方通行な我が儘な人だと思ってたけど、コレは我が儘極まれり?
「すみません、なんかご迷惑かけて」
「水城が謝る事じゃないけど。社長はさ、水城を人身御供にはしないって言ってるし、あの子をあちらさんが離すワケないからね」
「……最近の子って、みんなあんなに勢いあるんですかね」
「水城だって、まだまだ最近の子だろ」
榊さんの言葉に、オレはまた俯いた。
目に見えない力関係が働く世界なのは、短い芸歴のオレでもわかってる。
とりあえず、孝哉君の機嫌を損ねるのは、いろいろ良くない。
「……話し合い、してみます」
「水城、無理するなよ?子 供の我が儘に」
「うん……」
そうは言われても、オレには選択肢がないのが、分かっていた。
* * *
『水城!?本当に電話してくれたのか!』
強引に赤外線通信で交換させられた、孝哉君の番号に電話したら、2秒もしないで彼が出た。
珍しくはしゃいだ声に、オレも少し笑う。
「うん……ごめんね、遅くに」
『水城ならいつでもどこでも、出る』
「孝哉君……」
『絶対電話してくるって思って、ずっと携帯握ってた。俺は、本当に水城を恋人にしたいんだ』
「……その、話だけど。なんでオレなの? 女っぽいから?」
『違う。水城が、まだ路上で唄ってた頃、俺、その声聞いて泣いた。俺を泣かせた奴にムカついて、ずっと探してた』
……知らなかった。
『それから、水城の全部を知りたくて、手に入れたくなった。周りに聞いたら、それは恋だって言うから、水城は恋人にならなきゃダメなんだ』
その飛躍した理屈を、オレは笑えなかった。
そんな情熱傾けられたのが、初めてで嬉しくて。
不覚にもオレは、声も出せず涙を流していた。
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【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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