オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
最初に捨てたのは、あの頃1番大事で、大好きだったクマのぬいぐるみ。
大好き過ぎて、毎日連れ回して、ボロボロになり過ぎて泣く泣く捨てた。
親に、加減しろと言われたが、俺はどうも大好きなモノとは離れられなくなるらしい。
――ヒト相手でも、それは変わらなかった。
* * *
「和己」
「……うん」
優しい声に頷けば、彼は少し困ったように微笑んだ。
目の下の隈が、くっきりと浮かんでいる。
いい男が台なしな顔にした、原因の一端は俺だ。
「本当に、大丈夫なんだな?」
「大丈夫。……病院にもちゃんと通うし」
「それは……心配だが、そのことを言ったんじゃない」
5歳年上の商社マン。
バイク便で、顔合わせる内に親しくなって。
ちょうど、前の相手とごたごたしてる時期で、俺はこの人に逃げて。
完全に、虜になった。
「和己、体調にはくれぐれも気をつけてね」
「わかった」
優しい人だから。
甘えて甘えて、甘えまくって。
離れないでと泣きわめいては、仕事を休ませたり。
少しでも、予定外の行動を取れば、メール電話攻撃の上、押しかけ待ち伏せして。
優しい彼は、俺を詰る事を一度もしなかった。
優しく笑って、「愛されてるな」って言うだけで。
その頬がこけて、目が落ち窪んで。
逞しかった胸板に、骨が当たるようになって。
俺は、自分のしでかした事に気付いた。
「大好きだよ、和己」
「俺も」
「ずっと、大好きだ」
繰り返す声に、目頭が熱くなって来た。
大好き。
大好き。
なんで、毎日24時間一緒に居られないんだろう。
離れてる時間なんて、生きた心地がしないのに。
……でも、俺のそんな我が儘はこの人を壊してしまう。
それに気付いた。
「……サヨナラ」
「和己」
「元気になってね」
二人で住んだマンションの部屋を、一緒に出る。
彼は、このまま異動先の新居へ。
俺は、実家へ。
「サヨナラ」
大好きだから。
ボロボロになんか、したくない。
本当は、ずっともっと大事にしたかったのに。
名残惜しい気分を断ち切るように、俺達は夕日の中背を向けた。
大好きだから、サヨナラ。
…………………………………
共依存の一歩手前と言うか、互いに飲み込まれたと言うか。
軽いヤンデレのハッピーエンドだと言い張りたい。
解釈間違ってるんだろうなぁとは、承知の上ですが。
自覚あるうちは、まだ病んでても修正効くと思うんです。
本当に本当に相手が大事なら、敢えて踏みとどまって別れる勇気も…ハッピーエンドだと私は思います。
▽ランキング参加してます★お気に召したらポチリお願いします。
にほんブログ村
PR
この記事にコメントする
☆New Entry☆
(06/22)
(06/20)
(06/20)
(06/18)
(06/18)
(06/17)
(06/15)
(06/15)
(02/16)
(02/16)
トップ記事へ戻る。
(07/01)
(07/02)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
カテゴリー
各作品はこちらから
お好みのカテゴリーへ飛んで下さいませ
LINK・RANKING
お世話になってます。
BL♂GARDEN様以降はランキング・検索サイトです。
お気に召したら、ポチっと頂ければ、こっそり管理人喜びます。
訪問者
ご来訪ありがとうございます。
アクセス解析
プロフィール
HN:
智祢
HP:
性別:
女性
趣味:
TVダラ見(ドラマとバラエティ) 妄想
自己紹介:
腐女子歴人生の半分。
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。