オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「なぁ、どこ行くの?」
「行けるとこまで」
「……これ、市内循環バスだぞ」
年の瀬のバス。
病院に通う年寄りに混じり、一番後ろを陣取るのは、50代前半と10代後半に見える男二人連れだった。
静かな車内に、ぼそぼそと会話する声が届く。
ミラーでちらりと見ながら、二人の関係を想像する。
入って来た時から、妙だった。
(親子か……それとも、親戚か)
二人はまた、とりとめない会話をまた始めた。
「あーあ、いっそ遠くに行きたいなー」
「そうだな」
「スッゴい遠く」
「例えば?」
「……外国とか」
「地理は相変わらず弱いのか」
壮年の男が笑う。
少年は、悔しげに男の爪先を踏み付けたようだった。
(……教師と、生徒か)
だが、二人で出かける理由が見えない。
ブザーが鳴り、バス停に寄せると、老人ご一行様が降りて行った。
残ったのは、あの二人だけ。
再び走り出した車内で、少年はぽつりと呟いた。
「……待ってたんだ、クリスマス」
「悪かった」
「孫だ子供だ、来てるんだろうなって思いながら、待ってた」
「俺も、行きたかった」
「でも来なかった」
赤信号で止まる。
会話はそこで、途切れた。
不意に停止ブザーが鳴った。
「降りよう」
男が、少年の手を引いて立ち上がるのが見え、私はマイクに向かった。
『バス停で止まるまで、立ち上がらないで下さいよ、お客さん』
私の制止に、二人は慌てたように席に着いた。
バス停は、市街地外れにある小高い山の下だった。
「さっきは、すみません。二人分です」
男が財布から小銭を、運賃箱に入れた。
近くで見ると、本当に不思議な二人だった。
不躾に観察するのは失礼だと思いながら、降りる二人を最後まで見送る。
二人は、動き出したバックミラーの中、手を繋いで歩いていた。
山に向かい、二人の姿が消えた。
(親子……師弟……それとも)
あの雰囲気を、私は知っている。
だがそれを、常識が邪魔をして受け入れない。
(また、乗ってくれたらいい)
あの山に飲み込まれないことを祈り、ハンドルを握った。
…………………………
その昔のドラマ『高校教師』的な、二人で。
いつまで経っても、禁断だのタブーだのが大好きでスイマセン。
許されない関係が好きなんです、スイマセン。
またひょっこりバスに乗って来てくれたらいいです、二人。
昨年末、一番最後に書いたのがコレ…って感じです(>_<)
▽ランキング参加してます★お気に召したらポチリお願いします。
にほんブログ村
PR
この記事にコメントする
☆New Entry☆
(06/22)
(06/20)
(06/20)
(06/18)
(06/18)
(06/17)
(06/15)
(06/15)
(02/16)
(02/16)
トップ記事へ戻る。
(07/01)
(07/02)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
(07/03)
カテゴリー
各作品はこちらから
お好みのカテゴリーへ飛んで下さいませ
LINK・RANKING
お世話になってます。
BL♂GARDEN様以降はランキング・検索サイトです。
お気に召したら、ポチっと頂ければ、こっそり管理人喜びます。
訪問者
ご来訪ありがとうございます。
アクセス解析
プロフィール
HN:
智祢
HP:
性別:
女性
趣味:
TVダラ見(ドラマとバラエティ) 妄想
自己紹介:
腐女子歴人生の半分。
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。