神様、お願い。

　単発。新年一発目の投下でした。　御神籤と恋心とツン。

【問題】

　『神様じゃ叶えられない』で、お願いします！

「おっ、『良縁あり』だって！　マジかよ～」

　隣で御神籤みながら、奇声上げてる親友。
　俺に向かい、その中身を見せ付けるようにしてきた奴の、頭を押し返す。

「ハイハイ、よかったな」
「おまっ！　もっとハイパー喜べよ！　俺に、脱童貞の春が来るかもなんだぞ！？」

　知るかバーカ、と出かかった言葉を寸前で飲み込む。
　華やかに着飾った着物姿の初詣参拝客の中、アニメやゲームキャラの缶バッチだらけの俺達。
　年末は、例の祭典に。その流れで、マン喫行って大きなこの神社に来ていた。

「おまえは？」
「あ？」
「御神籤」
「……大凶」

　派遣切りに遭って、給料入らなくて、買い逃したレアモノがあったのが今までは悔しかったのに。
　今の俺は、違う事がこんなに悔しい。

「ハルカたんと今年こそ、ぐふふっ」
「……頑張れよ」
「おま、ちょ、大凶くらいでテンション低過ぎんだろ！」

　そこじゃねーよバーカ。
　黙り込んだ俺を、あいつは慌てて追い掛けて来た。
　しっかり、御神籤を結び付けてから。
　俺は、掌の中の紙をぐしゃぐしゃに握り締めた。

「なんで怒ってんだよ～」
「怒ってねーよ。ハルカたんから、あけおめメール来てんだろ？　行けば？　彼女今週いっぱいこっちいるんだろ？」
「え？　あ、何気遣い！？　なんだ、おまえ超ツンな気遣いなワケ！　やーもう、タカちゃん可愛いなぁ～」

　うっせぇ馬鹿。
　キモヲタ。
　がりがりの、ア●ガールズ田中似のくせに。
　性格もヲタ知識も、交流スキルもハンパねぇ。
　おまけに、オッパイ星人でオシリーナ大好き野郎が。
　誰の為に、誰に追い付こうと思って、俺までヲタクやってると思ってんだ畜生。

「もう、タカちゃん可愛いから、今日一日はタカちゃんと一緒にいちゃる」
「いらねーよ、うぜぇ」
「もう、このツンデレ王子っ」

　……デレてねぇだろ馬鹿。
　全然、デレらんねーよ。
　おまえ、俺がどんだけデレても俺じゃ勃たねーだろ。
　俺相手に、童貞捨てる気ねーだろ。

「タカちゃんどこ行く～？」

　ラブホ、なんて言っても行かないだろ。
　俺が有り得ないと思いながらも、おまえとの事考えて解してる穴なんて、今年も用無しだ畜生。
　おまえが主旨変えしますように、なんて。
　神様がそんな阿呆な願い、叶えてくれないだろうな。





　…………………………

　鈍感キモヲタ←超ツンな一途っ子。
　需要ないですね、すみません(>_<)
　鈍感に一人で悩んでたり、ツンツンしまくってる子が好きです。　


　
　
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