オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「ぐ……っ」
腹を突き上げる痛みに、壁に手を付きながら、私は検査棟の男子トイレを目指した。
しまった、昨日飲み過ぎた。
体質的に、私は上からよりも下から出る。
平たく言えば、下痢が酷くなるのだ。
「は…ぁ」
担当科ではない、人気のないイレにようやく着いた私は、二つある個室に足早に近付いた。
が、目の前の現実に愕然とする。
個室の一つには、『故障中』の貼紙。
もう一つは――赤い施錠マークが、無情にも出ていた。
「な……っ!」
いや、落ち着け。
実はフェイクかもしれないだろう。
私は震える拳で、ドアをノックした。
「はーい、入ってます」
即座に返った声に、私は絶望を感じた。
「すっ、すみません……っ!腹痛が、限界で……っ」
プライドをかなぐり捨て、私はドアに縋り付く。
しかし中の人物は、私を煽るような暢気な声を出した。
「あっれ、その声……小橋せんせ? 先生でも腹壊すんだ?」
「医師とて、人間だ……っ! キミ、は……」
「ほら、俺。せんせ担当の井坂」
「……井坂君! キミ、今朝38度の熱で安静だったんじゃ……っ」
「あんなん嘘ですよー。隣のじいちゃんの飲んでたお湯に、ちょっと、ね」
「キ、ミ…なん…っ、ぐぅっ! なら、早く出な……さっ」
「んー待ってよ、あとちょっとで犯人わかるからさぁ」
「な……何を、キミ……」
「部屋落ち着かねぇからさ、ここで小説読んでんだよね」
この野郎!と出かかった言葉を、私は無理矢理飲み込んだ。
その拍子に、肛門がひくりと震える。
私は、扉に額を押し付けた。
「頼む、から、早く出てくれない、か」
「なんか先生、言い方エローい」
「い、さかくん……っ! もう……っ」
「限界? 先生」
「は……ぁ、ダ、メだっ!」
「出る?」
「ん……ッ」
かちゃり、と鍵の開く音は、私の前に光明が射したようだった。
静かに開いたドアから、文庫本片手に頭を掻きながら出て来た井坂の肩に、私は思わずしがみついた。
「あり、が、とう…っ」
「……べっつにー。あ、でも俺また篭るから、ココで待ってていい?」
「え?」
入れ違いに中に入り、安堵した私の背中に掛かった言葉。
引き攣る頬を隠さず振り向けば、奴は意地の悪い表情を浮かべていた。
「先生の声聞いてたら、勃っちゃった。あ、先生ゆーっくりどうぞ。それも俺、聞いてたげるからね」
勝手に閉められた扉。
俺は自分の体質を、激しく怨んだ。
……………………………
瀕死…ですよ(笑)
いや、笑いごとではないですが、本当に(@_@;)
井坂君多分、内科系の軽い症状だけど念のため入院中な大学生くらいで。
小橋先生は、頼りがいある優しい内科医先生(30代半ば)だと個人的に美味しいです。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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