オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「オチがイマイチ。ツメが甘いんだよ、お前」
「木田は手厳しいなぁ」
年末の年忘れ演芸会に向け、漫才をやるのに『相方』となってもらうために口説き落とした木田。
細身で、身長はそんなに高くないけど、眼光の鋭さと、普段から容赦ない口の悪さと柄の悪さが、『男らしい』と人気のヤツ。
去年、俺は一人漫談で、忘年会の演芸会にエントリーした。
お笑い系好きだし、研究もしたし、間違いなく優勝して賞品貰える!と思ってた。
それが、予期せぬハプニングで、出場順番が変わって、いきなりのトップバッター。
上がりまくって、頭が真っ白になってしどろもどろになった俺に、木田の野次が光明をくれた。
木田の野次というツッコミに、俺がちぐはぐに答える。
まるで予定調和みたいな、完璧な間で俺に的確にツッコミを入れる木田に、俺は心地よい昂揚感を味わいながら、舞台をはけたんだ。
優勝は出来なかったけど、俺達は社長の計らいで特別賞を受賞した。
だからこそ、今年は。木田を本当に俺の相方に据えて、会に臨みたいワケなんだ。
「……ツメが甘い、かぁ」
「そういや、中学の同級生にな、『ツメが甘い』って担任に言われて爪舐めた馬鹿がいたな」
「あー、わかるわかる!『あたかも』を使った例文作れって問題に『家に瓦があたかも』て書いたヤツがいた!」
「日本語勉強しろってのな」
木田との会話は、淀みなくて本当に昔からの友達みたいで、すごく気が楽だ。
なんでだろうな。
俺にとって木田は、本気で最高の相方だと思ってる。
けど時々、それは俺の片想いというか、一方通行なんじゃないかと、不安に駆られる。
木田を手に入れた、…ていうか相方に据えられただけじゃ 俺満足できてない?
「ま、時間あんだしゆっくりネタ詰めてこーぜ」
「だよね」
俺の目的、演芸会で爆笑取って優勝すること、だよな……。
木田と組む事じゃないよな。
いかんいかん、今年は最高の相方と最高の笑いを手に入れるんだ!
……ツメが甘いのが、俺の弱点なんだけどな。
…………………………
『会話文で爆笑』の二人その後。
色々と、悩みながらコンビ上の関係築くようになればいいと思います。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。