オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「オバちゃん、クソ眼鏡見なかったか?」
長身の背を屈め、小窓から覗き込んで来た男に、寮母は緩く首を振った。
「見てないよ。また、裏山で昼寝してんじゃないかい」
「……あの野郎」
低く呟き、駆け出す背中を、寮母は飲みかけのお茶を啜りながら見送った。
背後の、ちゃぶ台の陰に寝そべる相手に視線を向けず、彼女は静かに問い掛けた。
「何やらかしたんだい、今度は」
「んー?」
猫のように伸びをし、起き上がった眼鏡の青年を振り返る。
寮母は眼を眇めて、青年の様子を見つめた。
「可愛い悪戯」
「ラップ音は解決したろ」
「ふふーん、今回は隠しスピーカーで謎の読経大作戦。俺聞こえないフリ」
「あんたねぇ、深澤の何が気に入らないんだよ」
呆れ返る寮母に、ズレた眼鏡を直しながら青年は眼を見開いた。
「気に入らないなんて、とんでもない! あんな反応顕著なヤツ」
「あんた、怨まれないようにしなよ」
「怨念でも向けられる念なら、ウェルカムだね」
ちゃぶ台に肘をつき、ニタリと笑った青年に、寮母は何も言わず茶を飲み干した。
反応の薄い寮母に眉を寄せて、青年は立ち上がる。
「言っとくが、あたしがココにいる間に刃傷沙汰はご法度だよ」
「そんなマヌケな真似しないし、あいつにそんな度胸ないよ」
サンダルをひっかけ、ひらひらと片手を振り青年は扉を開けた。
「オバちゃんのことも、あいつの次に好きだから迷惑かけないし」
「……あんたに好かれてる時点で、迷惑だよ」
顔中しかめた寮母に鼻を鳴らし、青年は自室に向かい歩き出した。
***
部屋ではやはり、肩をいからせている男――深澤が待っていた。
「裏山行かなかったの?」
「おまえのサンダル、窓から見えた」
「すごーい、深澤目がいいね」
素直に賛辞を返すが、深澤の険が強くなるだけで青年は首を傾げた。
「深澤って、単純だけど素直じゃないよね。褒めてるのに、俺」
「おまえにいちいち、反応してられっか」
苦々しい顔で吐き捨てる深澤に、青年は眼鏡を押し上げながら眼を瞬いた。
「つまんない」
「うっせぇ」
夏休み後から同室になった、この同居人は端的に言えば変人だ。
深澤は深い溜息をつき、優秀な頭脳をろくなことに使わない相手を見下ろす。
あと3年も、この顔を見て過ごすのか。
深澤は、この不幸を誰ともなく呪った。
…………………
全寮制モノとか、実は大好きなんですが。
世間(主にweb小説上)に溢れる王道展開とか、王道全寮制物よりも、なんか私立だけど伝統だけある古い学校や古い寮が出てくるような昔ながらの世界が好きです。
…っていうお話(笑)
喧嘩ップルくらいの勢いで、からかったりからかわれたりしながら、卒業まで何もなくても楽しめます。
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Re:Bei様
コメントありがとうございました!
続編でございますか…大した設定は無いですが、変人に絡まれる可哀想な深沢は掘り下げて見たいと思っております(笑)
更新リストに検討させて頂きます<(_ _)>
ありがとうございました!
続編でございますか…大した設定は無いですが、変人に絡まれる可哀想な深沢は掘り下げて見たいと思っております(笑)
更新リストに検討させて頂きます<(_ _)>
ありがとうございました!
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萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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