オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「克巳さん、好き嫌い多過ぎ」
うんざりした顔すんな、高梨のくせに。
ちょっとブロッコリーと、人参と、レタスの芯に近い固いところを、除けて分けてやっただけだろうが!
「煩い、俺は天使だから限られたモンしか食わねーんだよ」
「そう言って、肉はガッツリ食べるくせに」
ハンバーグレストランに来て、肉食って何が悪い。
昔の習慣で、野菜嫌いは治らねーんだよ。肉好きも、量抑えるだけで今だって変わらない。
「……なんでそんなに、野菜食わない人がこんな細いんですかね」
「人知を越えた存在だからだ」
「真顔で言うから、克巳さんて本物っぽいよなぁ」
高梨の皿に、全部食えないモンを乗せて、自分の分を完食する。
呆れながら、高梨は俺が残した物も含めて食べ切った。
「克巳さん、偏食すぎると本当に美貌保てなくなりますよ」
高梨が発した言葉に、俺は飲みかけていた水のグラスを落とした。
なんで俺は、本当に永遠に歳を取らない存在になれないんだ。
老いること、体型が変わること、磨き上げたこの身体が朽ちることが、全身搦め捕る恐怖として俺を襲う。
また、あの日々が巡ってくる恐怖に、押しつぶされそうになる。
「……克巳さん?」
「お前は、俺がハゲたりデブになったら、嫌か」
「ん~、想像つかないけど。可愛くキューピーさん的なポッコリお腹とチョビ前髪、なら」
「そんな俺でも、お前は抱けるのか」
「だって克巳さん、天使なんでしょ?キューピーさんなら、全然許容範囲」
「俺が、いつかオッサン臭出してもか」
「克巳さんがオッサンなら、俺もオッサンになってるから、無問題でしょ。克巳さんこそ、俺がそーいう身体になっても平気?」
盲点だ。
そうだ、高梨だって歳を取る。
俺より若いと言っても、たかだか2歳じゃ、大して変わらない。
「オッサン同士で、イチャイチャするのもいいかもね。昔あったCMみたいに、手繋いで買い物する老夫婦的な」
「本気か、お前」
「結構マジですが」
そうか、そういうのもアリなのか。
「だから、好き嫌いしないで克巳さんなんでも食べてよ。長生きの秘訣は、健康。則ち食生活」
次からは、人参くらいはサラダに入ってる細いの食ってやるか。
高梨が老けたとこ、見てみたいもんな。
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ふう、向こうが復活して良かったです。
克巳さんは、色々と面倒臭いことを言いますが、全部それをかわす・宥める高梨は、すごい奴なんじゃないかと思ったり思わなかったり。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。