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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年07月31日 (Fri)

 傾向:方言(福島弁) / 田舎に馴染めない / 高校生 

【47の世界】参加作品。

拍手[2回]



「んでよ~、『オメそだこと語ってんなよ』て、ツッコミいれてやったんだで」
「んだべ、んだで。だっつってぺや! 聞けで!」
「ほたことねってば、んだ」

 何このファンタジー。
 見た目は、前の学校の連中とそんな変わらないのに。
 なんで口開くと、みんな訛ってんだよ。
 超個人的都合で、俺はこの春母親と、ばぁちゃんの住む福島に越して来た。

「おー、相良君。帰りカラオケいがね?」
「あ……うん」

 クラス1のイケメン・当社比の、菅野は転校生の俺に毎日声をかけてくる。
 確かに、なんちゃってパチもんな連中の中では、菅野は本当にカッコイイと思う。
 制服の着崩し方も、髪型も、元がいいからかハマってる。
 俺達は放課後、二人でカラオケに行ったり、スタバのパクりくさいカフェに寄る。

「相良君の声、綺麗だべ……や、綺麗だよなって言ったらよ、おめキモいって、タケに言われてさー」
「ふーん」
「俺キモい?」
「別に。褒めてくれるのは、悪い気しないし」
「よかった」

 菅野は、よく喋る。
 それは、クラスでよく聞いてる。
 けど、俺と話す時の菅野は、すごく無理して気を遣ってるからか、会話が途切れる。

「菅野」
「何?」
「……別に無理して、訛らないようにしなくていいよ」
「え! や、俺訛ってねーし!」
「嘘だよ。クラスじゃ、『だべ』とか『したっけ』とか普通に使ってんじゃん」
「あ、あれは俺らの標準語だべな!」
「ほら」

 俺が指摘したら、菅野は顔を真っ赤にして黙り込んだ。
 俯いてうなだれる菅野がちょっと可哀相で、声をかけようとした時。

「……俺やっぱし、キモいかもしんね」
「なんで?」
「そ、そっだこと恥ずかしぐて言えねーべした!」
「言えない?」

 首を傾げる俺に、菅野はあわてふためく。

「さ、相良君! 俺が、あの、方言教えっがら、代わりにと、東京の事教えてくんにかな!」
「……いいけど」
「夏休みとか、あの、東京一緒にいがね?」
「……いいけど」
「俺、バイト頑張って金ためっから! ふ、ふふふ二人で!」

 何テンパッてんだろ、菅野。
 でも、田舎モンのダサイ男しかいなくて可哀相だなって、捨て台詞をくれた元カレには、自慢してやろう。
 お前より何倍もいいよ、て。
 それまでにちょっとは、菅野の言葉直さないとなぁ。
 俺カスタマイズは、なかなかだよ?


--------------

 お題は、訛り・方言のあるキャラで、という事だったんですが。
 当方生まれも育ちも福島県なんですが、文字にするとなかなか表現が難しいし、そんなに変った方言がわからない罠。

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