オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「んでよ~、『オメそだこと語ってんなよ』て、ツッコミいれてやったんだで」
「んだべ、んだで。だっつってぺや! 聞けで!」
「ほたことねってば、んだ」
何このファンタジー。
見た目は、前の学校の連中とそんな変わらないのに。
なんで口開くと、みんな訛ってんだよ。
超個人的都合で、俺はこの春母親と、ばぁちゃんの住む福島に越して来た。
「おー、相良君。帰りカラオケいがね?」
「あ……うん」
クラス1のイケメン・当社比の、菅野は転校生の俺に毎日声をかけてくる。
確かに、なんちゃってパチもんな連中の中では、菅野は本当にカッコイイと思う。
制服の着崩し方も、髪型も、元がいいからかハマってる。
俺達は放課後、二人でカラオケに行ったり、スタバのパクりくさいカフェに寄る。
「相良君の声、綺麗だべ……や、綺麗だよなって言ったらよ、おめキモいって、タケに言われてさー」
「ふーん」
「俺キモい?」
「別に。褒めてくれるのは、悪い気しないし」
「よかった」
菅野は、よく喋る。
それは、クラスでよく聞いてる。
けど、俺と話す時の菅野は、すごく無理して気を遣ってるからか、会話が途切れる。
「菅野」
「何?」
「……別に無理して、訛らないようにしなくていいよ」
「え! や、俺訛ってねーし!」
「嘘だよ。クラスじゃ、『だべ』とか『したっけ』とか普通に使ってんじゃん」
「あ、あれは俺らの標準語だべな!」
「ほら」
俺が指摘したら、菅野は顔を真っ赤にして黙り込んだ。
俯いてうなだれる菅野がちょっと可哀相で、声をかけようとした時。
「……俺やっぱし、キモいかもしんね」
「なんで?」
「そ、そっだこと恥ずかしぐて言えねーべした!」
「言えない?」
首を傾げる俺に、菅野はあわてふためく。
「さ、相良君! 俺が、あの、方言教えっがら、代わりにと、東京の事教えてくんにかな!」
「……いいけど」
「夏休みとか、あの、東京一緒にいがね?」
「……いいけど」
「俺、バイト頑張って金ためっから! ふ、ふふふ二人で!」
何テンパッてんだろ、菅野。
でも、田舎モンのダサイ男しかいなくて可哀相だなって、捨て台詞をくれた元カレには、自慢してやろう。
お前より何倍もいいよ、て。
それまでにちょっとは、菅野の言葉直さないとなぁ。
俺カスタマイズは、なかなかだよ?
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お題は、訛り・方言のあるキャラで、という事だったんですが。
当方生まれも育ちも福島県なんですが、文字にするとなかなか表現が難しいし、そんなに変った方言がわからない罠。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。