オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
ピチピチの水着姿の香野を抱きしめ、俺はそのもしゃもしゃの髪に頭を埋めた。
久しぶりに、近くで感じるこいつの体温。
「……おいまだ、わかんねーのか?」
「ご、ごめんなさい! えっ、えと」
「じゃあ香野、まだお前、俺の事大好きか?」
問い掛けに頭を上げた香野と、間近で視線がぶつかった。
香野の一重で黒目がちな眼が、俺をじっと凝視する。
お世辞にも、綺麗だ可愛いだ言えねぇ顔に、たまんなくむしゃぶりつきてぇとか、泣かせてぇとか思うようになったのは、いつからだったのか。
「花嶋君の事、大好きです。今も、ずっとずっと大好きです」
この、真っ直ぐに見つめ返す眼だ。
こいつが最初に、大学でコクって来た時から変わんねー眼。
いつまでも俺は、それに甘えて来た。
「……で、たまには俺の気持ち聞いてみたくね?」
「え……で、でも」
怖い、と呟いた香野の手を引いて、二人で床に座り込む。
向かい合わせで、膝付き合わせて。
「香野」
「は、はい!」
「お前と、ちゃんと付き合いたい。お前と、身体だけじゃなく心も繋がりたい」
まさかな、人生初の告白相手がコイツって。
世の中、本当にわかんねーな。
しかも、この俺が、散々どころか相当悩んだってんだ。
こっちの苦労、ちっとはわかれ馬鹿が。
「お前に、俺を独占する権利くれてやるよ、香野。その代わり俺はお前を、束縛するからな」
ポカンと口開けて、間抜け面曝してる香野に、自分で口にした言葉の恥ずかしさが込み上げて来た。
こんな真似、二度とするか畜生。
「なんか反応しろ、オイ!」
「へっ、へい! ……俺の処理能力の限界、越えてて…」
「俺が付き合ってやるってんだから、派手に喜べ。今夜は祝杯で、お前の望み通りにたっぷり構って弄り倒してやる」
香野の手を引っ張り、自分の方に引き倒して、二人で床に転がる。
そのまんま、唇にかぶり付いた。
一年以上、身体繋い出て初めてのキス。
付き合って、初めてのキスは、塩味だった。
「超嬉し過ぎて、涙出んだろ」
「……ど、どっきりカメラとか、嘘とか冗談じゃない……よね?」
「お前相手に、今更こんな手の込んだ悪戯すっかよ」
「じゃ、俺、本当に花嶋君とお付き合い出来る?花嶋君も、俺が好き?」
「……そーだよ」
「ど、どどどーしよ俺、嬉し過ぎて、心臓止まるっ! えっ、本当に!」
「まだ死ぬなよ、俺達は今から楽しむんだからな」
そう、ここからだ。
俺の本気、覚悟しろよ香野。半端ねーぞ?
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と、いう事でこの二人は一応めでたくゴールインしました。
花嶋におめでとう、香野におめでとう。
これからは、バカップルな二人になるか相変わらずかはわかりませんが、少し前進した二人になると思います。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。