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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年07月31日 (Fri)

 花嶋告白編。

拍手[2回]



 ピチピチの水着姿の香野を抱きしめ、俺はそのもしゃもしゃの髪に頭を埋めた。
 久しぶりに、近くで感じるこいつの体温。

「……おいまだ、わかんねーのか?」
「ご、ごめんなさい! えっ、えと」
「じゃあ香野、まだお前、俺の事大好きか?」

 問い掛けに頭を上げた香野と、間近で視線がぶつかった。
 香野の一重で黒目がちな眼が、俺をじっと凝視する。
 お世辞にも、綺麗だ可愛いだ言えねぇ顔に、たまんなくむしゃぶりつきてぇとか、泣かせてぇとか思うようになったのは、いつからだったのか。

「花嶋君の事、大好きです。今も、ずっとずっと大好きです」
 
 この、真っ直ぐに見つめ返す眼だ。
 こいつが最初に、大学でコクって来た時から変わんねー眼。
 いつまでも俺は、それに甘えて来た。

「……で、たまには俺の気持ち聞いてみたくね?」
「え……で、でも」

 怖い、と呟いた香野の手を引いて、二人で床に座り込む。
 向かい合わせで、膝付き合わせて。

「香野」
「は、はい!」
「お前と、ちゃんと付き合いたい。お前と、身体だけじゃなく心も繋がりたい」

 まさかな、人生初の告白相手がコイツって。
 世の中、本当にわかんねーな。
 しかも、この俺が、散々どころか相当悩んだってんだ。
 こっちの苦労、ちっとはわかれ馬鹿が。

「お前に、俺を独占する権利くれてやるよ、香野。その代わり俺はお前を、束縛するからな」

 ポカンと口開けて、間抜け面曝してる香野に、自分で口にした言葉の恥ずかしさが込み上げて来た。
 こんな真似、二度とするか畜生。

「なんか反応しろ、オイ!」
「へっ、へい! ……俺の処理能力の限界、越えてて…」
「俺が付き合ってやるってんだから、派手に喜べ。今夜は祝杯で、お前の望み通りにたっぷり構って弄り倒してやる」

 香野の手を引っ張り、自分の方に引き倒して、二人で床に転がる。
 そのまんま、唇にかぶり付いた。
 一年以上、身体繋い出て初めてのキス。
 付き合って、初めてのキスは、塩味だった。

「超嬉し過ぎて、涙出んだろ」
「……ど、どっきりカメラとか、嘘とか冗談じゃない……よね?」
「お前相手に、今更こんな手の込んだ悪戯すっかよ」
「じゃ、俺、本当に花嶋君とお付き合い出来る?花嶋君も、俺が好き?」
「……そーだよ」
「ど、どどどーしよ俺、嬉し過ぎて、心臓止まるっ! えっ、本当に!」
「まだ死ぬなよ、俺達は今から楽しむんだからな」

 そう、ここからだ。
 俺の本気、覚悟しろよ香野。半端ねーぞ?

 

-----------------

 と、いう事でこの二人は一応めでたくゴールインしました。
 花嶋におめでとう、香野におめでとう。
 これからは、バカップルな二人になるか相変わらずかはわかりませんが、少し前進した二人になると思います。



 

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