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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月16日 (Sat)
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2010年02月17日 (Wed)

 ⇒続きです

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 どんどん街の明かりが遠ざかる風景に、不安を覚えつつ高梨の様子を伺う。
 クリスマスソング特集が流れるラジオと、一緒に歌う横顔は楽しそうだ。
 2時間程、車を走らせて高梨はようやく駐車場に向けウィンカーを出した。
 古ぼけた、ラーメン屋。
 俺は思いきり、顔をしかめた。

「……おい、まさか晩飯ここか?」
「そうですよ」
「おまえな!」
「俺の家、誕生日はいつもここなんです」

 車を降りる高梨を追い掛けるが、奴はさっさと店に入って行った。
 スポーツ新聞を広げて、バラエティー番組を見ていた店主が俺達に振り返る。

「らっしゃい」
「予約してた高梨です」
「どうぞ」

 畳席を指差され、靴を脱ぐ高梨に仕方なく俺はついていった。


 * * *


 トラック運転手や、タクシー運転手が入れ代わる来る店なのに。
 出て来た中華料理は、意外にもしっかりした物だった。

「メリークリスマス、そしてこんな素敵な日に地上に降りて来た克巳さんに乾杯」
「ナチュラルに恥ずかしい事言うな、おまえ」
「特別な夜なんで」

 七面鳥じゃなく、焼豚を摘み。
 餃子を頬張りながら、俺の28回目の誕生日は過ぎて行った。
 ……人が気合い入れた金、返せ畜生。
 怨みがましい目で、高梨を睨みつければ、大まじめに高梨は返して来た。

「だって俺達、クリスチャンじゃないですし。神様だって、いくら心広くても負担かけちゃいけないですよ、乗っかって」
「そうだけどよ」
「俺は、克巳さんと過ごせるクリスマス、って言うだけで最高の気分です」

 酒も入ってねぇのに、なんでコイツこんなすらすら恥ずかしい事言えるんだ。
 呆れる俺に、高梨は苦笑を漏らした。

「本当は、綺麗でカッコイイところは予約が間に合わなかったんです」
「は?」
「俺だって見栄張りたかったんですけどね、身の丈だとこのくらいが限界」

 ノンアルコールビールを飲み干し、高梨は空のコップをテーブルに置いた。

「こんな俺でも、克巳さんは付き合い続けてくれますか」
「何、言ってんだ急に……」
「俺だって、不安でいっぱいなんです」

 本気の目で問う高梨に、俺は手を伸ばした。

「おまえこそ、途中で手に負えねぇって投げ出すなよ」
「しませんよ、天使って大体何ゴミに出すか知りませんし。俺」
「は? ゴミ!?」
「整理は大事なんで」

 笑う高梨に釣られて、一緒に声を上げて俺も笑った。


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 萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。