オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「今時、御礼参りはナイっしょ」
「ヤンキードラマの見すぎ~」
「あー? じゃあ何すんべ、センコー達に」
卒業式予行練習で、久々顔を合わせた同級生達。
派手な見た目と、着崩した制服姿の彼らが、一斉に僕を見た。
「田巻っ、なんかあるか?」
「え? ……なんで僕に」
「タマちゃん頭いーじゃん、知恵貸してよ!」
「明日のサプライズ!」
期待に満ちた眼差しは、子犬のそれより純真で。
僕は読みかけの文庫を閉じて、彼らに向き合った。
「……全員、髪色戻して、髪型普通にして、標準服着てくるのが1番驚くんじゃないかな」
鼻で笑われるか、ふざけるなと拳が飛んで来るかと思った僕の前に、沈黙が降りた。
次に囁き合うひそひそ声が聞こえ、一斉に拍手が起こった。
「名案だなソレ!」
「よっしゃお前等、今から髪直しに行くぞ~」
「B組の佐久間ん家、確か美容室だよな? ヅラとかあんじゃね?」
口々に、僕の案に乗って讃え合う彼等に、思わず腰を上げた。
一番近くにいた奴の腕を掴んで、僕は必死に引きとめた。
「ね……いいの? 本当に、そんなんで」
「いーのいーの。つーかどーせ俺ら、こんなバカやってられんのも明日までだし」
「だよなー。超カッコよくね? 卒業式前に、バカ卒業って」
「スゲー!」
僕を除いて、ほぼ全員就職をするこのクラスメート達。
数年ぶりの、大学進学者が出たと喜ばれた僕と、道を分かれる彼ら。
何をしてもストレートで、素直な彼らとの三年間は、僕にいろいろ知らなかった新鮮な驚きをくれた。
不意に、泣きそうになって僕は慌てて俯いた。
馬鹿だ、本番は明日なのに。
「え、ちょタマちゃん泣いてんし!」
「泣いてないよっ」
「鼻声じゃん」
「花粉症っ」
グスッ、と鼻を啜った僕の頭を腕を掴んでた奴が、軽く撫でて来た。
「明日、打ち上げの場所よろしくな、タマちゃん」
「……うん。でも、酒はダメだからな、絶対」
「わーってるって」
そんな彼らが。
式の後、この僕以上に泣いて騒いだ打ち上げになったのは――その後ずっと、語り種だ。
今でも時々会う彼らとは、いつか僕が設計した家を彼らに建てて貰おうと、盛り上がる。
……………………………………
工業高校の建築科的な。
いろいろ反発したり、分かりあったりした三年間だったら素敵だね、と。
色恋抜きでも、なんか男同士は友情厚くて好きです(^ー^)
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。