オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
この男を、面白味がないと言う連中が、理解出来ない。
「相変わらず、不機嫌だな北森」
「……相手が悪いからだ」
減らず口を叩く仏頂面に苦笑しつつ、徳利を傾ける。
同期入社のこの男は、無口だが実直、仕事は早く正確。
その上頑固で、融通が利かないから、周囲の評価は真っ二つだ。
とてもじゃないが、俺には真似出来ない。
が、そんな対極に位置するから、この男を素直に面白いと思える。
「たまにはいいだろ、男同士で……って、ああ、おまえは家に帰っても男だけか」
また、睨まれた。
「放っておけ」
「いや、俺は全然構わない。おまえが逆に、羨ましいよ」
それは、本音だ。
北森の眉が、ぴくりと動く。
「……まだおまえ、例の従弟にグジグジ悩んでるのか」
「悪いか? 10年来の趣味だ、ライフワークだ」
「悪い、悪くないの話じゃないが。相手の意思確認はしたのか」
単刀直入な切り返しは、本当に清々しい。
前置きも、余計な気遣いもない。
「ご心配なく。上手くやってるさ」
「別に心配はしてない」
「またまた。俺が気にかかる? 不倫は嫌だぞ、俺。愁に操立ててるんだ、これでも」
「おまえが先に、相談を持ち掛けて来たからだろうが!」
また、怒鳴られた。
肩を竦めた俺に、北森は手元の箸袋を投げ付けて来た。
余裕でかわした俺を、額に青筋を立てて睨み据えてくる。
この男が、無表情だわかりにくいと言う女子社員に教えてやりたい。
こんなにわかりやすい男は、そうはいないのに。
「貴様なんぞ、頼まれても断固ごめんだ!」
「まぁ、俺も北森はごめんだな。もう少し、見た目可愛いのが好みなんだ。出来たら6歳年下で、我が儘を言えば名前は¨シュウ¨で」
「……欝陶しい、惚気るな」
「おまえだって散々、結婚した頃は惚気てただろう? たまには、聞く側に立て」
本当に、面白い。
どうして、この常識が服を着て歩いているような男が、同性のパートナーを選んだのだろうか。
まさか、そんな一面があるなど少しも見せなかった。
未だ姿を見た事が無い、こいつの「嫁」が非常に気になる。
「不思議だな」
「何がだ?」
「おまえと友達なところが」
「誰と誰がだ、ふざけたこと抜かすな」
「じゃあなんだ、仲間か? 同類?」
「ただの、同僚だ」
「冷たいな、北森は」
そういうところも、北森らしいと思うが。
笑った俺に、北森は渋い顔のまま酒を煽り続けた。
………………………………
『こたつの二人』の聡一と賢が、実は同期とか要らぬ裏設定があったりします。
どう絡ませて発展させるか考えていたら、意外に盛大で…今収拾着きません…。
その辺り、サイトで続きが書けたらなと思います。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。