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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2010年06月02日 (Wed)

 こんな形の幸せでもいいです。

拍手[2回]



「……でな、話題続かなくて、つい仕事の話を……」
「どんだけ口下手スか、先輩」

 先輩の家近所の、小料理屋。今夜は先輩の、見合い残念会だ。
 一応可愛い後輩として、成功を祈って送り出したけど。
 裏腹に失敗しろ!て書き込むと願いが叶う掲示板に書いたからか、見事に先輩の見合いはお流れになった。
 うん、ちょっと俺、複雑。

「本当先輩て、仕事以外の時はダメ人間スよね」
「おまえなぁ、普通は追い込まないだろそこで! 慰めろよ!」

 赤ら顔で叫ぶ先輩を、ハイハイと宥めつつかわす。
 先輩は、小さく唸るとカウンターに突っ伏した。

「ああ……俺、このまま一生独身で、退職したら社会から弾かれて孤独死するんだ」
「いや、飛躍しすぎでしょ。見合いに失敗したぐらいで」
「……おまえがダメ人間だって言ったんだろう」

 拗ねた口調で、先輩はそう俺を責めた。
 酔っ払いの愚痴だから、仕方ないとはいえ。
 あーあ、俺が女だったらそれこそここで、身体で慰めちゃうんだけどなー。
 で、そのまんまめでたく一発妊娠、既成事実で見事結婚までゴールイン!……なんて。

「俺がいますよ」
「ん~?」
「先輩が孤独死しないよう、俺がジジィになった先輩の面倒見ます」
「……おまえ、二歳しか離れてないだろ。それは老々介護だぞ」
「そんでもいいスよ、先輩看取れたら。あ、俺介護ヘルパーの資格取ろうかなー、住み込みで面倒見ますよ」

 冗談みたいな本音を言えば、酔っ払ってトロンとした眼だった先輩の顔が、少しだけ正気に戻った。
 あー、ヤバイ。
 何この人、泣きそうになってんのちょっと。

「お、俺……っ、おまえがいてよかったよ。不甲斐ない先輩だけど、おれ、ほんとっ」
「知ってるス、先輩は仕事しか出来ないダメ人間だから。でも俺は、そういう先輩が、大好きッス」

 そう俺が言えば、先輩は年甲斐なく場所も弁えず、号泣した。
 ……ああ、俺も泣きたいくらい嬉しい。
 先輩にとって、ただの後輩以上になれてんなら、もう俺それでいいよ。
 だって俺、キモいくらいあんたの事大好きだもん。信者だもん。
 シモの世話であんたのチンコ見たら、確実興奮する予定の変態だもん。

「だから先輩、俺養えるくらい出世して下さい」
「たかる気か!」

 でもまだちょっと、モロッコ行く気がある俺だけどね。
 あんたの隣にいられるなら、どんな俺にもなるよ。



 ……………………………

 実際に行動しないプラトニックを、もどかしいと感じるか意気地無しと感じるか。
 何かのきっかけで、今の関係が崩壊する恐れがあるなら、黙ってでもついてく覚悟の方が男らしいかなと、私は思わないでもないです。
 ちなみに、サイト用作品の習作でした。
 まったく違うノリに向こうはなっておりますが。



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 萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。