オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「山田太郎……て、嘘を書くな!」
「なっ、嘘じゃないよ!」
しくじった。
不良君達に唆されるまま、根性試しだとか言われ本屋で漫画万引きしようとしたら……店員に見つかった。
で、連行された事務所で書かされた名前に、いちゃもんつけられてる真っ最中だ。
「本当に、山田太郎? いまどき?」
30代手前か、もしかしたら本当はもっと上かもしれない店長が、目を真ん丸くして僕を見る。
唇噛み締めて頷いた僕に、ようやく彼は納得したようだった。
「あ、いや君を疑ったんじゃなくて。その、前に捕まえた子が出鱈目ばっかり書いたから……ごめんね」
「いえ……あの、僕も、すみませんでした。あの、が、学校と、親には!」
店長は、軽く唸って腕を組んだ。
僕は洗いざらい、全部話した。
自分の意思じゃなかったこと、あいつらからの指令文のメールも見せた。
「事情が複雑なのは、わかったけど……なぁ」
「お願いします!」
「でも、お友達の事そんなぺらぺら喋っていいの?」
「あんな奴ら、友達じゃない!」
穏やかそうな店長の顔が、一瞬引き攣った。
すぐに、また優しい表情に戻ると、彼は肩を竦め溜息をついた。
「わかった、今回だけ君を見逃すよ。君を、信じる。山田君」
「ありがとうございます!」
「まぁ……僕も、経験なくはないからね」
ぽそりと呟いた声に、首を傾げた僕を見て、店長は苦笑を浮かべた。
「昔ね、同じような目に遭ったんだ。まぁ、僕の場合は、押し付けられて逃げ遅れたんだけど」
「え……それで」
「学校に連絡行くし、親には泣かれるし、押し付けた連中はバカにして笑うしで、散々。あの時の店員さんは、信じてくれなかったから」
エプロンに付けられた名札を撫でる指先につられ、文字を追う。
「あしな……いずみ、さん?」
「女みたいな名前でしょ?それこそ、嘘つくなって怒られてさぁ」
「だから、僕を……」
「うん。悪い子には、目が利くから。君は、大丈夫」
コミックス3冊分、レジで支払い、僕は店長――芦名さんに見送られて店を出た。
あいつらには、これを投げ付けて明日縁を切ろう。
そして、書店員になるにはどうしたらいいのか担任に相談しに行こう。
そう決意した、人生観が変わった日。
…………………………
泉ちゃん。
実はこっそり、以前短いシリーズの中に登場していたり。
本屋勤務時代、本当に他人の名前を書いて店と学校を混乱に巻き込んでくれた子がおりました(>_<)
人生が変わる瞬間て、こんなところに転がっているかもと言うお話でした。
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萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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