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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年08月11日 (Tue)

 傾向:ラーメン屋とサラリーマン / ズル休み / 特別な休日

【問題】

 「ズル休み」で萌えるお話をお願いします

拍手[1回]



 朝起きたら、10時5分前だった。…つまり、9時55分。
 始業時間はとっくに過ぎてる。

「あー……寝坊」

 目覚まし代わりの携帯には、恐ろしいくらいの会社からの着信があり、俺は一つ溜息をつき、コールバックした。

「おはようございます、…あ、はい鈴木です。すみません、今日休みます。は? あぁ、えと病欠です。あ、いや風邪です。高熱です。はい、すんません」

 事務のお局さんが小言を言ってたが、無視して通話を切ると、俺は気持ちいい快晴の空に眼を向けた。

 
 ***


「いい歳して、会社サボんなよ」
「サボりじゃなく、ズル休みです」
「同じだろ」
「サボるは、サボタージュの略ですから、全然違います」
「クビになんぞ」
「そしたら、ここで雇って下さい」
「お前、ウチの経営状況知ってんだろが」

 朝昼合わせた食事をしに、マンション向かいのラーメン屋に行く。
 相変わらず、客がいない。
 立地条件も、麺も、スープも、こだわりがあって激旨いが、いかんせんこの店主が問題だ。
 持ってる包丁とのマッチングで、確実両手分は人を殺めてそうな顔。
 なので、この店は年中暇だった。

「店長、遊び行かない?」
「おめぇな、俺は生活かかってんだよ」
「俺だって。でもさ、天気いーし、なんか一日のんびりしたくない?」

 髭面坊主頭の店主は、鋭い眼光で俺をひと睨みして、ネギ切りに取り掛かった。


「なんかさ、普段休みじゃない休みって、ワクワクしない? 一緒にワクワクしよーよ。二人だけの、秘密の休日。おぉ、なんかヤラしい」
「……聞けよ、話を」

 呆れ返る店長は、しかし出していた具材をタッパーにしまって行く。
 俺がラーメンを食い終わるまでに、調理台はすっかり綺麗に片付いていた。

「俺、海みながら昼寝がいいな」
「まだ寝るのか」
「あ、レンタカー借りに行かないとだね」
「炊いた米、おにぎりするか?」
「チャーシュー入れてよ、店長」
「おうよ」

 内心ちょっと、意外だった。
 この人初めて俺の誘いに、乗ったんですけど。
 これに乗じて、勢い告ってもOKですか。
 だから、誰も知らない場所に行こう。
 秘密って言葉は、幾つになってもワクワクするもんだ。
 そんな、二人だけの秘密の休日。



……………………………………

 同タイトルの曲がまっきーのにあった気がしますが、これはその曲モチーフにはならなかった(笑)
 最初は、学校休んで、仕事してる恋人の姿をこっそり見に行く高校生の男の子、と考えていたんですが。
 なんかしっくりこないまま、勢いで書いたら、熊みたいなオッサンと駄目リーマンになりました。
 この、普段人が働いている時間ののんびり感が、私は好きです。

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