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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年08月08日 (Sat)

 傾向:秘書×偽坊ちゃん / 成りきる / すれ違い


【問題】
 直接的なH行為描写を書かない、エロスな雰囲気なお話をお願いします。

拍手[0回]



 電灯が反射する、眼鏡のレンズ。
 冷たく見える双眸を細めて、僕を見下ろし、あの人は溜息をついた。

「まったく、いつになれば倫様の代わりが務まるようになるんだ?」

 吐き出された声も、凍えるように冷たく、僕をますます縮こませる。
 僕は、このお屋敷に住む『倫様』の影武者…身代わりとして連れて来られた。
 敵対する組織に、命を狙われている倫様は、近々秘密裏に海外留学に出る。
 僕は、その間の身代わりだ。

「貴方は倫様です、私の不手際をもっと厳しく詰って下さい」

 眼の前には、割れたグラスが床に散らばっている。
 状況としては、倫様お気に入りのグラスを割った場合、動揺せずにこの秘書の加山さんを注意する練習…なんだけれど。

「ご命令を、倫様」
「は、早く片付けろ!」
「道具がありませんので、手で失礼してよろしいですか?」

 白い手袋を脱いで、加山さんはひざまづき、割れたグラスを掌に拾い集め出した。
 鋭い破片を摘みあげた時、綺麗に整った指先に朱い筋が一線走った。

「加山さんっ」

 思わず駆け寄った僕は、血が滲み出る指先を迷わず唇に沿えて含んだ。
 舌の先でそっと、鉄の味のする血を舐め取る。

「……始末が悪いな」
「え?」

 見上げた先で、加山さんが眉を寄せて苦い表情を浮かべていた。
 僕の口から指を引き抜くと、わざとらしく大袈裟な溜息をつく。

「ご、ごめんなさいっ! でも、怪我は早めに手当しなきゃって」
「倫様としては、不合格だ。……だが、個人的には感謝する」

 複雑な表情で、僕の頭を撫でると加山さんは一瞬だけ優しい笑顔をみせた。
 こんなに、綺麗な人の指を舐めちゃったのか…僕。
 猛烈に恥ずかしさが襲って来て、僕はワタワタと数歩後ずさった。
 ――そう、下がグラスだらけなのも忘れて。

「危なっかしい」

 さっと腕を引かれ、傾きかけた身体が加山さんの傍に倒れ込んだ。

「貴方には、傷一つ付けるわけにはいかないんだ。気をつけて」
「……はい」

 いつも、壊れ物を扱うように触れる加山さんは、僕をそれでも忌ま忌ましいモノのように見つめる。
 いま、抱き止められているこの温かい胸も、背中を撫でる優しい掌も。
 触れているのは、『僕』じゃないんだ。
 だから、心地いいなんて思っちゃ……駄目なんだ。

 

 ………………………………………

 何故このお題で、この回答だったんだ自分!…雰囲気的に淫靡な感じを目指したんですが撃沈です。

 主従物好きすぎる私。
 身代わりにつれて来た少年と、調教?躾?担当の関係。
 性格が全然、主と違う上に強いる内容の酷さに、思い悩む秘書と。


 

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