オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
真夜中、もう間もなく朝日が昇る時間に帰宅したら、テーブルの上に一枚、紙片が乗っているのに気付いた。
「たかふみへ。みつけたからやる…て、四つ葉のクローバーじゃないの」
ふへへと、込み上げたのは気持ち悪い笑いだった。
一ヶ月前から、同居人になったクソガキは、ガキのくせに自立してて生意気で可愛い気がない。
唯一楽なのは、手が掛からんとこくらいだ。
そんなあいつにとって、俺って何?とは思わないでもないが、ガキに大人は必要不可欠だと無理矢理自分を納得させてる。
うん、俺、大人。
「しっかし、可愛い真似してくれるじゃないの、駿ちゃん」
ウチの店の娘より、男心掴むの上手いぞ。
将来が心配、なんてな。
こんなことくらいで、気持ち浮上する俺がヤバイのか。
8歳で母親に捨てられたも同然で、空腹で死にかけてたあいつに同情したのは、俺だ。
ウチの店で働いてた娘が、一人失踪した。
その娘に、息子がいた。
周りは反対したが、俺は見つけた手前二度とあの手を離したら駄目だと思い、強引に引き取った。
あいつが普通に、子供らしく息をして笑えるための、そんな存在で構わない。
立派な父親面しようなんて、考えてもない。
「……でも、こんなことされるとメロメロになっちまうなー、畜生」
汚い字で書かれた名前と、短いメッセージが、胸鷲掴みする。
俺はそれを畳んで、財布に忍ばせた。
「さて、朝飯の準備すっか」
四つ葉のクローバーを見つけるくらいの、確率だったのかもしれない、俺達の出会い。
せっかく見つけた以上は、失くさないように、大事に大事にしねーと。
白々と明ける空を見ながら、一服ついたあと、俺はフライパンをガスコンロに乗せた。
あいつが唯一褒めてくれた、甘い卵焼き作るために。
「パパ頑張っちゃうぞー」
ま、起きてきたあいつは絶対、『バカの一つ覚え』ってマジでバカにするんだろうけどな。
パパだから、めげないんだぜ。
…………………………………
まさかの続編を、勢いで書いてしまいました。
隆文、若い身空で、案外腹が据わってます。多分本人も、あんまり幸せじゃない子供時代だったんだろうなぁとか。
BL色がなくても、続き書いてもいいかなぁ。こっちでこっそり書こうかな…。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。