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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年07月16日 (Thu)


 傾向:俺様×従業員 / 美形 / プレゼント


【問題】
 優しい青年が、あまり着飾ったりしない恋人にアクセサリーを贈りました

 さて、なんですか?

拍手[1回]



「は? ヘアゴム?」
「髪、欝陶しそうに払っていたから……なんですけど、いりませんか?」

 尻すぼみになった僕の言葉に、美喜はフンと鼻を鳴らした。
 僕の勤務先であり、たった一人の同僚であり雇用主の男は、大変気難しい。
 種族オレサマ人種だ。

「いいか、この俺には何者にも侵しがたい美しさがある」
「……承知してます」

 美喜は、美しい。
 そう、どんな美辞麗句を並べ立てても、当て嵌まらない美しさ。
 だから、常日頃至ってシンプルな恰好しかしない。
 全く、服装や外観に頓着しない。
 探偵業としては、間違っていないが、かえってその美しさを際立たせる。

「気に入らないなら、別に捨てていいですよ」
「おまえが勝手にそう決めるのが、気に入らねぇ。髪ゴムなんざ、なんだっていい」
「じゃあ、いつか使うように持ってて下さい」
「わかってねぇな、おまえ」

 綺麗な顔を、険しくさせて美喜は僕の隣に腰掛けた。
 僕はあっさり、美喜によってソファーに縫い付けられた。
 見下ろしてくる顔にかかる、赤みがかった長い髪をかきあげてあげる。
 いつ見ても、触れても綺麗な髪だ。
 下からのアングルでも、美喜の美しさは損なわれない。

「おまえから貰うモンなら、輪ゴムだろうが食パン留めてるネジネジだろうが、全部立派な装飾品になる」
「へぇ……そうですか」
「ありがたく思え、盛大に感謝してやるから」
「僕はたいそれた事、しちゃいましたね……」

 本当にこの男は、理解しがたい思考回路を持つ。
 価値基準も、判断基準も、彼にしかわからない。
 ……でも、黙っておこう。
 大きなヒマワリが付いたヘアゴムが、実は拾い物だということを。


---------------------

 相手によっては、輪ゴムの一本でも大事にする人って、いるじゃないですか。
 まして、恋人なら尚更。そんなお話。




 多分明日には、美喜の頭に可愛いヒマワリが咲いてるだろう。


 

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