・腐男子クンの恋 ３

　3話。一旦完結です。　傾向：不良×腐男子　/　ほのぼの　/　高校生

　相澤が変です。助けて下さい。
　僕は今、人生最大のピンチに言葉通り、襲われてます。

｢あい……ざわ……？｣
｢だから言ったろ、我慢しねぇって｣

　昼休みで賑やかなはずの外の音も、声も聞こえず、僕は図書館の床に縫い付けられ相澤の顔を見上げてた。
　話があるから、って呼び出され、昼食もそこそこについて来たら、コレだ。
　急展開過ぎて、萌えてる暇もない

｢チビ田、俺……｣
｢待って相澤！　落ち着いて！　僕も男で、君もオトコ！　この体勢おかしいから！｣
｢無理、落ち着けない｣

　相澤はそう言って、僕に覆いかぶさってくる。
　……全ＢＬ作家さんに、受キャラの今の気持ちを伝えたい。
　無理矢理は良くない。
　本気で止めて欲しい
　僕には今、相澤が凄く怖い存在にしか見えない。

｢い、いやだ……！　離せってば！　どけ！｣
｢なんでだよ!?　おまえ男イケんだろ!?｣
｢そんなのっ、二次元限定だよ！　妄想だけなんだから、現実に男同士でなんて……考えたことも、したことないよ馬鹿ぁっ！｣

　恐怖感から、ボロボロ涙零して泣きじゃくる僕に、相澤は気まずそうに掴んでいた手首を離した。

｢……やっぱ、ダメか｣

　ぐずぐず鼻を啜る僕を前に、相澤は片手で頭を抱えて、溜息をついた。

｢ちょっと前から、おまえが気になってしょうがなかったんだ。……いつだっけか、電車で痴漢されてたろ？｣
｢な、相澤なんで！｣

　桃ちゃんが、慰めながらも凄く興奮して根掘り葉掘り聞いた屈辱を思い出す。

｢見たんだよ、……偶然。その時のおまえの顔とか、息づかいとか、なんかツボってさ｣
｢え、えぇぇぇー!?｣

　こいつ、助けもしないでなんて事を……！
　ていうか、相澤さん、すごく顔が赤いんですけど。

｢さすがに男相手にヤバイだろって、考えないようにしてたけど……おまえがあんなマンガ見てっから！　なら男同士で実際ヤんのアリかもって思うだろ！｣

　相澤は髪掻きむしりながら、逆切れ気味にそう叫んだ。
　本当、これって逆切れだよね？
　何、その相思相愛前提みたいな、僕が誰にでも体許すみたいな、言い様。
　何だろう、何か僕たちに足りてないのがある。
　肝心な事を忘れてる。

｢もう近づかねぇ、怖い思いさせて悪……｣

　勝手に話を終わらせようとした相澤の腕を、僕は慌てて捕まえた。

｢相澤はさ……あ、あの、僕のことどう思ってる？｣
｢へ？｣
｢身体が目当て、とか？　ぼ、僕をその、せ、せせｓで、セフレにしたいとか、なんかそういう事？｣
｢は!?　お前をそんなのに出来っかよ！　って、……あぁ、そっか｣

　相澤は少し照れたように、頬をかくと僕に真っ直ぐ向き合った。
　表情が、急に改まるった瞬間、僕の心臓が激しく鼓動を鳴らしだした。

｢長田が好きだ、出来たら付き合って欲しい｣




　なんて答えたかって？
　取り敢えず桃ちゃんが満足した、答えだったみたいだよ。
　でもごめんね桃ちゃん、もうこれ以上は、僕たちの秘密だから。


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　不良とか言っておきながら、ヘタレな相澤氏が…(笑)
　しかし、腐男子とガチな人の違いはもうここまでくると、ドコにあるのかと。改めて考えてみたいところです。

　
 

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