オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「好き、って言ってごらん」
「絶対嫌です…ッ」
服を奪われ、背中で両手首を戒められ。
のしかかる相手を、晴渡は涙目で精一杯睨みつけた。
「ん~命令なんだけど、それでも言えない?」
「ムリ…です…ッ」
現在の主である男は、晴渡の反応に苦笑を漏らした。
晴渡が心から、仕える事を望んだ主人は、生涯あの人一人きりだ。
――本当なら、あの人だけの筈だった。
予期しない飛行機事故で、あの人は晴渡を地上に残し、手の届かない場所へ逝ってしまった。
主を失い、生きる屍と化した晴渡の前に現れたのが、この男だった。
『衣食住込み、生活の全般私に尽くすこと。もちろん夜の生活込みで。条件はそれだけ』
言葉の意味もろくに理解出来ないまま、晴渡の新生活は勝手に準備され始まってしまった。
穏やかな性格で、無茶な命令を下さない新しい主だが、少しずつ自我を取り戻して来た晴渡にとって一番辛い命令を下す。
「私が好きだって、言えたら今夜はちゃんと愛してあげるよ。晴渡」
「ん…っ、言えま…せんッ」
「とんだ強情っ張りだねぇ、晴渡は」
主は呆れた顔を見せると、ベッドサイドに準備していた小さいボトルを取り上げた。
キャップを外し、おもむろに晴渡の奥まった秘肛に中の液体を垂らす。
「ゃ、冷た…っ」
「ねぇ晴渡、そんなに私が嫌い?」
毎晩の結合で、緩むことを覚えた晴渡の秘肛へ、男根を模した玩具を押し当てる。
ヒクヒクと収縮を繰り返すそこへ、主は一気に玩具を突き刺した。
「やあぁぁぁぁッ、痛っ、ヤだぁぁぁッ」
「晴渡、これでもまだ命令聞けないかな?」
「あ…やっ、ダメッ」
ぐちぐちと穴を穿つ刺激にか、それとも下した命令にか、判別が答えを晴渡は繰り返した。
主は玩具の抜き差しを繰り返しながら、晴渡の愛らしい胸の飾りを吸いあげる。
「ァっアァ! やっ、助けて…ッ、ご…主人…さまぁッ」
「それは誰? 私?」
「ふ…う…ごしゅじんさま…、や…いや…っ」
「晴渡」
眉を寄せ、苦い表情を浮かべながらも、主は宥めるように晴渡に唇を重ねた。
逃げまとう舌を捕らえ、深く絡めあう。
息苦しさに喘ぐ晴渡を無視し、ようやく解放したころには晴渡の瞳は焦点を失っていた。
泣き濡れる頬に手を添え、主は小さく呟く。
「たった一つの命令だよ、…いつか言ってくれ晴渡」
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乙貴と史乃の遥か前に書いていたんですが、主従モノが大好物なんです私。
どちらか一方だけが強く望んでも、完成しない関係ってすごく究極の関係ぽくて好き。
この作品の二人は、やがてわかり合えたらいいなと思います。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。