オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「なぁ、来てから言うのもなんだけど、なんで今日池袋?」
「え! あ、あの従姉妹に頼まれ事ある……から」
ダシにしてごめん、桃ちゃん。
でも僕の持つ鞄には、しっかり桃ちゃんが売る同人誌が詰まってて、それを元金に購入するリストも預かってる。
そしてこの、目の前の無駄にカッコイイ男。
「相澤は、どっか行きたいとこある? 用事ちょっとかかるから、スタバとかで待っててもらえれば……」
「は? 一緒に行くんじゃねぇの?」
「え……」
そりゃ無理だぁぁぁー!
大体、僕ら二人であんな店入ったら、『妄想具現化キタコレ!』的な反応が……!
なんかこれ以上、相澤に僕を誤解されたくない。
「いいから! 相澤は待っててよ!」
「……それじゃデートの意味、ねぇだろ」
うわ、拗ねた。校内でも有名な不良と呼ばれてる相澤が。
あぁ本当、相澤ってさ。
実は頭の中に、名BL作品の脚本家とか住んでない?
そこで拗ねるとか、反則だよ!
「……ごめん、そうだよね。先にじゃあ僕らが楽しもうか」
「あーよかった、マジひびった。ただ付いて来ただけとか、絶対有り得ねぇ」
「ごめんて。機嫌直してよ。ね?」
最近気付いたけど、相澤は僕の上目遣いでのお願いに弱い。
恐持てな顔が、たじろいで赤くなるのは毎回見物だ。
うーん、僕誘い受の気があるのかなぁ。
ずっと平凡受とか、健気受に共感してきたんだけど。
「あぁぁわかったから、それ以上近付くなチビ田!」
「なんで?」
「おま……今度こそ、襲うぞ」
相澤は僕の両肩を掴むと、凄みを効かせてそう言った。
今度こそ、と言いながら非常に紳士な相澤は、あの図書室以来無理強いして来ない。
だからもう僕は、全然怖くない。
「ここじゃ、ヤだ」
「……マジでおまえ、どこで覚えてくんだよ。そーゆーの」
BL漫画と小説ですけど、何か?
恥じらう僕の演技に、相澤は僕の腕を引っ張りビルの隙間に連れ込んだ。
「キスさせろ、そしたら機嫌直してやる」
「うん」
15センチ近く身長差のある相澤の首に腕を回し、僕は懸命に背伸びする。
軽く唇の先が触れたと思ったら、相澤に背中かき抱かれて、唇もめちゃめちゃ押し当てられた。
桃ちゃんにはまだ、言ってないけど、僕…キスまでは許しました。
機嫌の良くなった相澤に肩を抱かれ、僕らは五月晴れの池袋東口に繰り出した。
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腐男子さんは、作品読むとき普通どちらに共感するんですかね。
それにしても、意外に強かだったチビ田クンなのです。相澤がヘタレなだけという説もある。
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好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。