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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年07月25日 (Sat)

 傾向:ちゃらヤンキー×硬派ヤンキー / 強制女装 / 高校生

 破天荒と、くだらなさでお楽しみ下さい。

拍手[1回]




 最悪。
 姉ちゃんに勝負して負け、罰ゲームっつって、女装させられた揚句電車乗って離れた駅前のミスドまで買い物行って来いとか、マジありえねぇし。
 で、その途中、見覚えある他校のバカ連中に絡まれてたりとか、もう本気でムカつく。
 絡まれたのが、しかも喧嘩じゃなくてナンパって。
 お前らの目玉は、ビー玉かっつーの。
 目の前にいるのは、お前らの天敵、北工の亘理だぞ、と。
 姉ちゃん自慢のなんだかわかんねぇ、フリフリのフワフワスカート姿じゃ、言えるワケねーけど。
 マジ最悪。

「なぁ、一緒に遊ぼうって」
「……無理。急いでるんで」
「じゃ、そっちの用事に付き合うから、そのあと遊ばね?」
 しつけぇな、バカ。
 俺はとっとと、ミッションコンプリートしてぇんだよ。
「お前達、何してんの?」
 ……うわ、更に最悪。
 バカの親玉、神尾登場だ。
「ナンパ?いいね、俺も混ぜて」
 混ざんな、帰れ。つか、帰せ。
 姉ちゃんの服を破けば、確実殺される。
 が、このまんまの流れで俺だってバレんのも、非常にマズイ。
 神尾はやたら勘がいいから、危ねぇ。
 蹴り飛ばしたい衝動に駆られ、ワナワナしてる俺をどう勘違いしたのか、神尾は眉を寄せてバカ手下を非難しだした。
「震えてんじゃん、もーお前ら女の子の扱いわかってないなぁ。怖かったよね、はいはい俺と一緒にイイトコ行こうね」
 どこだよ、と突っ込む隙も与える暇なく、神尾は俺の肩に手を回して歩き出した。

 ★

 ミスドで命令された商品買った上で、俺はなぜか未だ神尾とアイスコーヒー啜りながら、向かい合ってる。
「キミさ、おにーさんいない?」
「……いない」
「そう」
 待て。なんだその発言。
 顔を伏せたまま、目だけ上げれば、神尾はニンマリといやらしい顔しやがった。
「いいね、上目遣いでストロー咥えてるって」
 鼻から逆流しそうになるコーヒーを、どうにか抑え込む。
「助けたお礼と別に、口止め料も欲しいなぁ。――亘理君」
「ぶっ!」
 抑えきれなかったコーヒーを噴き出せば、神尾は紙ナプキンで俺の口許を拭いてきた。
「な、なななんで、お前ッ!」
「お兄さんいないなら、キミ本人でしょーが。バレバレ」
「こ、これには、東京タワーより高い事情がある!」
「口止め料、くれる?」
「…い、いくらだよ」
 クソ、このアイスコーヒーだって奢りだぞ。

「キスしようか。亘理君」

 ***

 手を引かれ、神尾について歩く街中を、俺は顔を上げて歩けない。
 バレバレって、…姉ちゃん完璧つったじゃねーか!
 擦れ違う奴の視線が、変態って嘲笑うように感じる。
「亘理?元気なくない?」
「……こんなザマで、はしゃげるってどんなバカだよ」
「まぁ、おしとやかな感じも嫌いじゃないけど」
 神尾は店出てから、ずっと上機嫌だ。
 本当、最悪。よりによって、なんでコイツにバレんだよ
「けどさぁ、やっぱりデートは楽しくしない?」
 デート?何言ってんだ?
「キ……っ、キスすんじゃゃ、ねーのかよ」
「俺、お楽しみは最後に取っとく派なの」
 何考えてんだ、マジでコイツ。
 ウチの学校の連中とぶつかる時だって、コイツはヘラヘラしてて掴み所がなかったが。
 ワケわかんねぇ。



「やっぱりデートの締めは、公園だよねぇ」
「…そーかよ」
 散々、街中引きずり回され、保険と言われてプリクラまで一緒に撮られ、公園着いた頃には俺はくたくたになっていた。
 ベンチに座った途端、慣れねぇ靴で歩いた疲労から無意識に神尾の肩に頭乗せてた。
 慌てて離れようとした俺を、神尾が止める。
「疲れた?」
「ったりめーだろ。変な目では見られるし、マジ最悪」
「変? みんな可愛いくて振り向いてたのに」
 かわ……突っ込む気力もねぇ。
「キスすれば、とっとと」
「雰囲気ないなぁ」
 肩に頭乗せたまま、間近で神尾の顔を見上げる。
 少しだけ神尾が、困った顔を見せた。
「俺が恥ずかしいから、亘理、眼つぶってよ」
 言われて、シャクながら眼を閉じる。
 別にこれがファーストキスだなんては言わない、言わないが男はマジこいつが初めてだ。
 数秒遅れで、唇に暖かいモノが触れて来た。
 ぬるっと舌が伸びて来て、俺の口の中に入る。
 息苦しさと気持ち悪さで暴れ出した俺を抱き込んで抑え、それは神尾が飽きるまで許してもらえなかった。

 ***

「変態、死ね。次会ったら、容赦しねぇかんな畜生!」
「はいはい」
 超満足そうな、コイツがムカつく!
「亘理」
「なんだよ変態」
「明日、このプリクラ見せて、俺の彼女って自慢していい?」
「約束違うだろ!」
「大丈夫、亘理だなんてバレないよ。こんな恰好じゃ」
「……は? だ、お前、バレバレって!」
「それは、俺だから」
「どーいう意味だ」
「秘密。可愛いかったよ、亘理」
 額にキスをして、神尾は去ってく。
 心臓がバクバクするのを宥め落ち着いた頃。
 俺はようやく、手元のミスドの箱と鬼の顔した姉ちゃんを思い出したのだった。

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 女装モノに肝心な萌え要素が皆無な気がしますが。
 本人は非常に楽しんでいます。


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