オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「なんか最近、妙に人の視線が気になんだよな」
それもこれも、姉ちゃんとどっかの変態のせいだ、とは言わずにぼやいた俺に、頼れる片腕は茶化して答えた。
「亘理さんみたく華奢な人が、俺らゴツイのとつるんでるからじゃないスか?…知らない人みたら、カモられてる的な」
「あー、そーいう視線か」
「もしくは、相変わらずのアンチ亘理の連中が活発化してるか」
「そっちはマジいらね」
姉ちゃんが女だてらに、一人で築いた、ウチのガッコの統率。
鬼強い姉ちゃんが卒業して、入れ替わりすぐに入学した俺が必然的に跡目継いだんだけど、元々姉ちゃんに反感持ってた連中が、色々うるせーのなんの。
よく考えたら、俺普段から誰かに見られてる生活なんだよな。
……マジで、あの恰好神尾以外気付いてないんだろうな。
もしも、アレを俺だと気付いて俺を嘲笑ってたら?
今のトップは、女装する変態だとか言われてたら?
コイツらの信頼も、姉ちゃんが築いた統率も、粉々になっちまうのか?
それだけは嫌だ。他に、居場所なんてねぇってのに。
「亘理さん、顔色悪いスよ」
「……プチブルーだ」
「気にすることないッスよ」
笑い返す気力もなく、俺は無言で頷く。
頼れる片腕の若槻は、話題を変えようとしてくれたのか、明るい声で、そういえば、と切り出してきた。
まさか、その話題が俺を倍ヘコますとは知らず。
***
「かーみーおぉ! 出て来いやゴラァ!」
殴り込み上等だあの野郎!
もう二度と関わるかと決心したが、あの阿呆シメねぇとシャレになんねぇぇぇぇ!
『噂なんスけど、あの大附の神尾の女、ウチのガッコにいるらしいんスよ。しかも、亘理さんの関係者だって。俺らが知らないのに、そんなワケあるかって笑い飛ばしたんスけどね』
微妙に間違ってるようで、間違ってねぇ噂流しやがって!
「あれ、亘理。俺に会いたかった?」
野郎のたまり場、潰れたゲーセンに乗り込めば、神尾が手をひらひら振りながら現れた。
ラッキー。一人だ。
人払いする必要もねぇし、思いっきしボコれる。
「あぁ、顔貸せやコラ!」
「いやに積極的。あ、制服姿久々~、なんか新鮮~」
「うっせ! つーかこっちが普通なんだよ!」
「だよね。でも俺が毎日眺めてた亘理、こっちだから」
神尾は胸ポケットから、あの時のプリクラを取り出した。
それに俺は絶叫する。
「あ、もしかして俺の熱い視線写真通じて亘理に伝わった?毎日眺めて、キスしてたんだけど」
「っ!」
「写真より本物がいいなぁ、なんて思ってたところなんだけど。亘理……知ってる? 飛んで日に入る夏の虫って」
神尾は本当に、獲物が罠に掛かったのを狙うような視線で俺を見つめ、チロリと上唇を舐めた。
俺、もしかして超迂闊な真似したか?
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コメントありがとうごさいます!
ワクワク感ですか!そう言って頂いて嬉しいです。
また近々、続編更新しますので、お待ち下さいませ。
好きな系統は、
【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。