オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
神尾の馬鹿に、バンザイの形で手首掴まれて、壁に押さえつけられる。
押さえる力を込めながら、神尾は物凄いイイ笑顔を俺に向けた。
「亘理のトコに、ウチの連中押しかけてるでしょ? 俺の『彼女』捜しに」
「っ、そうだその話だ! お前何ワケわかんねぇ噂流してんだよ!」
「いやーだってさ、プリクラみんなに見せびらかしたら、ドコの誰かって煩くて。つい。あ、でも亘理だなんて、一言も言ってないから、約束は守ったっしょ?」
「そういう問題じゃねぇ!つか、離せ!」
「やだよー、せっかくのナマ亘理なのに」
あぁぁあ、また顔が迫って来た!
だが油断したな、クソ神尾!
今日の俺は、スカート姿じゃねぇんだよ!
思い切り膝を蹴り上げ、俺は神尾の腹にぶち込んだ。
至近距離で避けられなかった神尾に、モロ膝が入った。同時に緩んだ手から逃れ、俺は神尾と距離を空けた。
「いったー…やっぱり、亘理はやんちゃだなぁ」
「うっせぇ変態! 近付くんじゃねぇ! もうあんな真似させると思うなよ!」
「怖い?」
「キモいわ!」
勢いよく怒鳴り返せば、神尾が黙り込んで眼を瞬いた。
すっげぇ間抜け面で。
「……うーん、だよなぁ。俺やっぱ変態で、キモいよなぁ」
唸りながら腹を摩り、神尾が俺に困ったような笑顔を見せる。
そんなもんに騙されねーぞ、と警戒しつつ、本気でヘコんでるっぽい神尾につい、数歩近付いてしまった。
神尾は手を出してこないで、眉を下げた困り顔で。俺はその表情に、首を傾げた。
「あのさ、俺本当に変態なんだわ。もうね、プリクラの亘理と、こないだのコンビニの亘理がさ、すっかり頭住み着いて。毎日フィーバーなんだよね、夜」
「……夜? 夜と俺となんの関係が」
「これ以上はさすがに、武士の情けで聞かないでほしいなぁ。それとも、どんな亘理の恥態を、ネタにしてたかとか聞きたい?」
「お、ま……何してんだぁぁ!」
この野郎!何人をネタにしてんだおい!
しかも毎日って言ったかこの野郎!!!
「て、俺も思ったの? 女の子の恰好してるから、そーいう気分になるのかと思ったけど。……ヤバイ、今の亘理でも、俺充分イケそうなんだけど。どうしよう?」
凄ぇ真面目な顔で、本気で悩んでる顔で。
何言ってんだ、お前。
馬鹿じゃねーのお前。
俺の答えなんて、決まってんだろ。
「ふざけんなぁぁぁぁ!」
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という事で、ひとまずまだ、神尾の片想いという事で。
ここから二人の攻防が始まります。
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【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。