オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。
「なんで裸なんスか」
「当家の礼儀だから」
金髪ハネハネな髪に、耳たぶ大丈夫?って心配したくなる数の飾りが着いた耳。細い、眉山のない眉。
そんな子に白いフリルのエプロン一枚だけを着け、僕はしばし自分の審美眼に盛大に拍手を送ってみた。
コンビニの前で、毎日たむろってるぐらいだから、暇人だろうと思って、雇い入れた家政夫。
意外にも、彼は苦労人で家事や炊事洗濯万能だった。
「で、なんで裸なんスか」
「趣味」
細身だけど、しっかり筋肉のついた締まった身体。
胸から膝にかけて隠された身体は、なかなかな見応えだ。
悦に入る僕に対して、彼は静かに溜息をついた。
「もう仕事していいスか」
「うん、よろしく」
――泣かないなぁ、何しても。
雇い入れて、一ヶ月。
甘えてもこないけど、拒絶もしない。
何をしても、無反応。
夜のご奉仕だって、かなりえげつない真似したけど、痛いとか言うだけで、反応が薄い。
やり尽くした、ネタがない。
掃除機を抱えて、階段を上がり出した寡黙な家政夫の背中に、声をかける。
完璧にそれは、思い付きだった。
「ねぇ、あのさ」
「なんスか」
「もう飽きちゃった。出てっていーよ」
階段を昇りかけてた足が、止まった。
狭い眉間に皺を力いっぱい寄せ、僕を振り返る。
んー、怖い顔。でもこの顔は、本気で見飽きたんだよねぇ。
「……嫌っス」
「あれ、口答えは駄目だって1番最初に言わなかったっけ」
「関係ねぇッス」
「あのねぇ」
「あんた、俺がいなくなったら、またコンビニ弁当逆戻りだろ。外食しても、やたら偏ったモンばっかり食うから、貧血でブッ倒れるんだ。そんな、いつ孤独死するかわかんねぇ人、置いて出て行けねッス」
睨まれながら、なんかすごく真っ当な事言われてる。
ていうか、君そんなに僕を心配してくれてたの?
たった一ヶ月しか、一緒にいないのに?
「雇用主の発言は、絶対なんだけどねぇ」
「なら、家政夫は辞める。それでいいだろ」
「いや、だろって」
「代わりに、あんたが望む形で雇えよ。ずっと俺が、面倒見られる職寄越せ」
うわぁ、何この強気発言。
僕大好きなんだけど、こういう強引な身の程知らずを叩き潰すの。
「なら、永久就職かな」
「了解ッス」
初めて、その時寡黙君は口許を綻ばせた。
泣き顔より先に見た笑顔は、思ってた以上に優しそうだった。
……………………
雇用主より偉そうな使用人が、大好物です(笑)
見えてる形で縛りつける関係も、それはそれで好きです。
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【俺様×健気】【ヘタレ×女王様】
萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。
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