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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2010年05月25日 (Tue)
 こんなに降ってて良かったと感謝する雨も、無いと思う。

【問題】
 雨宿り、から素敵なお話を。

拍手[1回]



 珍しく人が学校行ってやるかと、朝マックして朝カラ行って外出たら、雨。
 はー、普段行いいいのにね、俺。
 仕方なく、潰れた店の軒下に飛び込んだら、先客がいた。
 グレーのスラックス、見覚えある水色のワイシャツ。
 あらら、同じガッコの子ですか。面倒臭い。
 しかも明らかに、具合悪いです的なうずくまり方ですよ。面倒臭い。

「おいこら、そこのキミ。一応きーとくが、大丈夫か?」
「……はっ、…ぃ…」

 うわぁ、蒼い顔してヒューヒュー言ってる。喘息ってヤツですか?
 つうか、全然大丈夫くないでしょこの子。おバカさんかしら。

「背中とか、摩る?」
「あ、の、ほんとに……」
「あー、俺が怖い? 安心しろよ、こんなんで面倒代払えとか言わねーから」

 勝手にね、先生達が俺を困ったちゃん扱いしてるだけで。授業妨害しないだけ、感謝しろって話よ。
 とりあえず、地べたに座り込む少年を抱え起こす。
 俺の膝で背中支えて、肩を抱きつつ背中を摩る。

「発作?」
「……ちょっと」
「薬とかないの?」
「あり、ます……」

 俺の顔見て、びっくり顔した少年は、なかなか可愛い系だった。ん~……なんか見た事あるな。
 そう思いつつ、少年が薬を吸い込むのを眺めてた。
 落ち着いたのか、蒼かった顔がちょっとピンクに戻って来た。

「色白いなー」
「え?」
「いや、独り言。雨やまねーなー、くらいの」
「……先輩って、面白い人なんですね」
「結構」

 先輩だって、あらやっぱ少年後輩なんだ。じゃあどこで見たんだ。

「先輩は今から帰り、ですか?」
「逆。昼飯に紛れ込む気満々」
「なら、一緒に学校行きませんか?」
「お~、い~ねぇ。そこらのタクシーさんにお願いしましょ、もち割り勘で」
「はぁ」

 あっさり頷いた俺に、また少年はびっくり顔だ。なんだこの生き物、可愛いな。

「ところでさ」
「はい」
「俺達、どっかで前に会ってない?」

 超キメ顔して言ったら、少年は綺麗な笑顔を見せてくれた。
 おお、ナンパ成功な感じ?

「自己紹介が遅れました。2年の八木です。先週から生徒会長に任命されました」

 ……あー…、だからか。

「帰っていい?」
「そう言わず、一緒に行きましょう先輩。色々伺いたい事もありますんで」

 立ち上がりかけた俺の腕を、がっしり少年が掴む。


 ロマンスの神様は、意地悪だね。落としたくなるじゃん、敵対関係って。
 雨なのに燃えそう、俺。
 


 …………………

 「同伴登校しちゃったねぇ」と、言いつつ逃げる算段考えてそうな男です。
 なんかサクッと書けたんで、気に入ってるお話。
 会話のテンポのもんだいでしょーか。



 


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