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オリジナルBL小説置場。 ご理解のない方はUターンを。 萌え≠エロ持論で作品展開中。 短編中心、暇つぶしに読めるお話ばかりです。

2024年11月15日 (Fri)
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2009年10月20日 (Tue)

 
二人の出会いの後~プロポーズに至るまでの間の話です。全10回。
 いつもの二人の雰囲気ではなく、また賢がやや酷い行為や発言をしております。ご注意を。

 ※この話に限っては、賢一人称で展開していきます

拍手[0回]



 人には運命の、魂の半分を分けた伴侶がいると、あいつはいつも説いていた。

「俺がちゃんと、その相手を見つけてやるよ」

 そう言っていた、幼なじみが死んだ。
 22年の生涯。
 そして唯一、あいつが俺との約束を反故にした。



 夏紀の告別式に現れなかった男の部屋に、俺は向かっていた。
 香典返しを片手に、聞いていたアパートの部屋の前に立つ。
 夏紀が一番の友達だと話した男は、大学で知り合った志賀という男だった。
 がさつで煩い、見た目の印象を裏切る男。

「志賀! いるんだろ、開けろ!」

 壊れたチャイムに焦れ、ドアを叩くが反応がない。
 舌打ちと共にドアノブに手を掛けると、意外にもドアはすんなりと開いた。
 迷わず踏み込んだ部屋に、俺は眉を寄せた。
 6月の蒸し暑い陽気の中、部屋は窓を締め切りカーテンをしっかり閉じている。

「志賀? ……いるんだろ?」

 狭い室内に、肝心の主の姿がない。
 返答も無い。
 微かな水音が聞こえ、俺は靴を脱ぎ捨て風呂場に飛び込んだ。

「お前……っ!」

 そこには、着衣のまま、床に足を伸ばし、頭から湯気の立たないシャワーを被る主がいた。
 落ち窪んだ目が、煩わしげに俺を見上げる。

「……なんだ、賢か。なっちゃん、迎えに来たんじゃないんだ」
「何?」
「毎日毎日、俺のせいだって言うから……直接行って謝るって、言ったんだ」

 ぼんやりと焦点の合わない目で、俺を通り天井へ向ける視線に背筋がゾクリとした。

「馬鹿を言うな、夏紀は事故だったんだ。お前を恨んだりは……」

 水を止め、触れた志賀の肌の冷たさに、俺は思わず手を離した。
 それは、つい先日触れた夏紀の肌に、酷く似ていた。
 死人の肌の冷たさだ。

「志賀、しっかりしろ! おい!」
「……なっちゃ……、ごめんッ」

 ごめん、と壊れたテープレコーダーのように繰り返す志賀を前に、俺は掛ける言葉がなかった。
 夏紀と志賀は、兄弟のような仲だった。
 10何年の付き合いがあった俺よりも、下手すれば親しかったかもしれない。
 だから、なのか。
 夏紀が、本当に志賀を連れて行く気かもしれないと、一瞬思ってしまった。
 恐怖が、全身を突き抜ける。

「勝手を言うな!」

 ほとばしった絶叫に、志賀の焦点がふっと戻った。
 それが、拒絶に見えた瞬間。
 俺は志賀を、風呂場の床に引き倒していた。
 
「ならば、生きる理由をくれてやる」



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 萌え≠エロが持論です。でも、本番≠エロだし、下ネタはOKなんで、オカズになるようなエロは書けないということだけご了承ください。